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Point Blank – Point Blank (1976)

 テキサス出身のハード・ロック・バンドPoint Blankは、プロデューサーBill Ham(ZZ Topのアルバムをデビュー作から1996年の『Rhythmeen』まで一貫して手掛けた人物)が見出したグループだ。レゲエやファンクといった様々なビートがシーンを席巻する中で、彼らはテキサス流の骨太なブギーにこだわっていた。
 スローなリフと高速のソロの応酬で構成された「Free Man」は、Kim DavisとRusty Burnsによる荒っぽいツイン・ギターが文句なしにかっこいい。John O'Danielのハスキーなボーカルが持つタフな雰囲気はブルースによくマッチしている。
 カウベルの入ったドラム・ブレイクで始まる「Wandering」や、後の彼らの持ち味となるコーラスが活きた「Bad Bees」などは、各々のメンバーの見せ場があるナンバーだ。そして「Lone Star Fool」にただよう雰囲気は、どことなくLittle Featのリズムをほうふつとさせる。
 Point Blankがスポットライトを浴びるようになったのはレーベルをアリスタからMCAに移した後のことで、その頃には垢ぬけたアリーナ・ロックに傾倒するようになっていた。82年リリースの最終作『On A Roll』に至ってはまるでJourneyのようなサウンドに変貌している。