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The Edgar Winter Group – They Only Come Out At Night (1972)

 実の兄Johnnyがヘロイン中毒と戦い、ブルースの大名盤『Still Alive And Well』で復活するまでのあいだに、Edgar Winterはカントリー、ソウル、ラテンなどあらゆる音楽を吸収していった。Johnnyとは全く異なる進化を遂げた彼のアルバム『They Only Come Out At Night』は、音楽ジャンルという枠組みから解放された画期的な傑作だ。
 ベースのDan Hartmanは陽気なドライビング・ソングの「Free Ride」を提供した。また本作はRonnie MontroseとRick Derringerという二人の名ギタリストが参加した数少ないアルバムでもあり、Winterのバンドが最も充実していたことを示しているが、この群雄入り乱れた雰囲気が最も表れているのは「Undercover Man」の力強くヘヴィなサウンドだ。古風な「Rock 'N' Roll Boogie Woogie Blues」から続く美しいバラード「Autumn」の魔法のような対比も面白い。
 ドラマーChuck RuffとWinterの印象的な打楽器ソロが話題を呼び、シングルとしてヒットした「Frankenstein」はもともと長尺なインストゥルメンタル・ジャムだった。できあがったトラックはまさにツギハギの怪物のようではあったが、プログレッシブな趣を持ったコンパクトな組曲として完成しており、またキーボードを肩から掛ける自由な演奏のスタイルは彼のライブの風物詩にもなった。