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スコッチウイスキーを飲み始めたきっかけとその後1年半の遍歴

バランタイン17年をプレゼントされる

ウイスキーを飲み始めたきっかけは,2021年3月に大学院を修了した研究室の学生らがバランタイン17年をプレゼントしてくれたことだ.それまでは,よくわからない水割りを飲んだり,韓国で爆弾(ウイスキーのビール割りだったと思う)を飲んだことがあるくらいで,ウイスキーをまともに飲んだことはなかったが,そのバランタイン17年はとても美味しいと感じた.それまでウイスキーを買ったこともなかったので,バランタイン17年が結構な高級品だとも知らなかった.

バランタイン17年
Ballantine's Blended Scotch Whisky Aged 17 Years

バランタイン17年 Tasting notes
色合い:美しい琥珀色
香り:バニラ香、樽香、バランスの取れた深く気品のある香り。
味わい:クリーミーで蜂蜜のような甘美さの中にも、オーク樽とピート香のスモーキーさも感じられる複雑で力強い味わい。
フィニッシュ:長い余韻。かすかなスモーキーとバニラ香。潮の香り。
希望小売価格:9,000円

https://www.ballantines.ne.jp/products/17years.html

酒屋で初めてウイスキーを買い求める

当時は主に芋焼酎を飲んでいたのだが,ウイスキーを買ってみようと思い,近所の酒屋に行ってみると,バランタイン17年はとてもよい値段だった.5,000円は軽く超えていたと思う.焼酎感覚からするととても高い.焼酎なら1800mlで3,000円を超えると明らかに高級品だ.それが700mlで5,000円を超えるのだから,気軽に買えるものではない.

こんなに良いウイスキーを選んで贈ってくれたのかと感激し,学生に感謝しつつ,まずはもっと安いのを飲んでみようとバランタイン7年を購入した.これが我が人生で初めて購入したウイスキーだ.他にも様々なウイスキーがあったが,同じバランタインで味の違いを確かめてみることにした.価格も2,000円前後なので,焼酎に馴染んだ身に違和感はない.

しかし,私には合わないようだった.比較対象がバランタイン17年だったのが悪かったのかもしれない.

もうちょっと試してみようと,バランタイン ファイネストも飲んでみたが,これも美味しいとは思わなかった.価格がバランタイン7年の半分くらいなので,仕方ないなと思った.今から思えば,これら熟成年数の少ないウイスキーはアルコール刺激が強めで,それが好きになれなかったのかもしれない.

ともかく,美味しいウイスキーが欲しいので,熟成年数と価格帯を上げて,バランタイン12年を試してみた.これは美味しいと思った.価格は3,000円くらい.

バランタインを4種類続けて試してみたわけだが,10年以上熟成したウイスキーが自分には合うようだと認識した.一歩前進だ.

バランタイン ファイネスト Tasting notes
色合い:黄金色
香り:バニラ、蜂蜜を思わせる甘く華やかでバランスの良い香り。
味わい:どこまでも豊かでなめらかな味わい。
フィニッシュ:複雑でまろやか。
希望小売価格:1,390円

https://www.ballantines.ne.jp/products/finest.html

バランタイン 7年 Tasting notes
色合い:暖かさを感じる黄金色
香り:蜂蜜やバニラを思わせる芳醇な甘さ
味わい:熟した赤リンゴや洋ナシを思わせる熟成感
フィニッシュ:長く続く芳醇で甘やかな余韻
希望小売価格:2,100円

https://www.ballantines.ne.jp/products/7years.html

バランタイン 12年 Tasting notes
色合い:あざやかな黄金色。
香り:蜂蜜やバニラを思わせる甘く華やかな香り。
味わい:複雑ながらもバランスの取れた、クリーミーで飲み応えのある味わい。
フィニッシュ:かすかに感じる潮の香り。爽やかに伸びるアフターテイスト。
希望小売価格:2,800円

https://www.ballantines.ne.jp/products/12years.html

ラフロイグ10年のピート香に衝撃を受ける

4本続けてバランタインという偏った飲み方をしたので,まったく違う方向に進んでみようと,次に,ラフロイグ10年を購入した.これには衝撃を受けた.とても煙臭い.とてもスモーキーだ.スコッチウイスキーと言っても,ものによってまったく違うということを理解した.

バランタインはブレンディッド,ラフロイグはシングルモルトという違いもあるが,それ以上に,アイラ島の蒸溜所らしく,ピート香が強烈だ.でも嫌じゃない.むしろ,結構好きだ.このピート香が苦手な人もいるようだが,私はかなりいける方だと認識した.

ラフロイグ10年
LAPHROAIG Islay Single Malt Scotch Whisky Aged 10 Years

ラフロイグ10年 Tasting notes
ピートの効いた麦芽から生みだされるシングルモルト。爽快なピート香や磯の香りを思わせる個性的な味わいで、世界中のウイスキー・ファンを魅了しつづけている。
色:濃い金色
香り:爽快なピート・磯
味:滑らかでややオイリーなコク
フィニッシュ:海藻を思わせるユニークな心地よい後味
希望小売価格:5,600円(750ml)

https://www.suntory.co.jp/whisky/laphroaig/

青いシーバスリーガル ミズナラ 12年

バランタインとラフロイグを飲んでその違いの大きさに驚いたところで,よく名前を聞く気がする銘柄を飲んでみることにした.シーバスリーガルだ.定番はシーバスリーガル12年なのだろうが,青いパッケージのシーバスリーガル ミズナラ 12年が気になった.

スコットランドから 日本への贈りもの
日本のウイスキーファンのためにブレンドした特別なスコッチウイスキー、シーバスリーガル ミズナラ 12年。芸術的な日本の伝統文化と日本のウイスキーづくりへの賞賛を込め、選りすぐりの原酒を日本原産の希少なミズナラ樽でフィニッシュして仕上げています。

https://www.chivas.com/ja-JP/our-collection/chivas-mizunara

限定品や特別品に超弱いため,このミズナラ12年を購入した.これもブレンディッドのスコッチウイスキーだが,美味しかった.

シーバスリーガル ミズナラ 12年
CHIVAS REGAL MIZUNARA Blended Scotch Whisky Aged 12 Years

シーバスリーガル ミズナラ 12年 Tasting Note
アロマ:オレンジと西洋ナシの甘いフルーティーさに、クリーミーで甘いタフィーと、微かなナッツの香りが重なる。
テイスト:全体に繊細な味わいで、驚くほど甘くてなめらか。熟した西洋ナシと蜂蜜、オレンジ風味の砂糖菓子の味わいに、微かなリコリス(甘草)の風味が加わる。
フィニッシュ:バランスよく、なめらかで、長い余韻。

https://www.shinanoya-tokyo.jp/view/item/000000017998

リーデルのシングルモルトウイスキー用グラス

この段階まで進むと,テイスティング・グラスなるものの存在を知る.それまでは家にある普通のグラスで飲んでいたのだが,ウイスキーの香りや味を存分に楽しむためには,専用のグラスを使うのが良いようだ.

元来,何かを購入するときには無茶苦茶調べないと気が済まない性なので,ウイスキー用のテイスティング・グラスについても調べまくった.その結果,価格も考慮して,リーデル(RIEDEL)のヴィノム(シングル・モルト・ウイスキー用,2個入)を発注した.

単一の蒸留所で造られた原酒のみを使用して造られるウィスキーに
すぼまりはほとんど無く、反り返った飲み口がアルコールの刺激を和らげるため、香り・味わいともに蒸留所ごとに異なる個性を感じやすくなります。

https://shop.riedel.co.jp/products/detail.php?product_id=131
リーデルのシングルモルトウイスキー用グラス
RIEDEL Single Malt Whisky

同じワインでも異なる形状のグラスで飲むと香りや味わいが変わるという事に着目し、世界で初めてブドウ品種ごとに理想的な形状を開発したオーストリアのリーデル。
これらのグラスは、世界中のワイン生産者たちと共に“ワークショップ”と呼ばれるテイスティングを繰り返して決定され、ワインの個性や造り手の想いまでも忠実に再現するグラスとして、ワイン生産者や愛好家の方々から絶大な信頼が寄せられています。

https://www.riedel.co.jp/about-riedel/

元々はワイングラスの開発から始まったようだが,今ではウイスキー用のグラスも販売している.このグラスの写真をSNSにアップしただけで,「リーデルですね」というコメントを複数もらった.それくらいには有名らしい.

西陣織ラベルが美しい京都みやこ蒸溜所のウイスキー

京都みやこ蒸溜所の京都ウイスキー西陣織ラベル紫帯が,アメリカUSC2021コンペティションで92点を獲得してファイナリストに選出されたとのことで飲んでみた.ちょっと好みではなかった.語彙力不足でうまく説明はできないけれども.シーバスリーガル ミズナラ12年とか,バランタイン17年とかの方が好みだ.やはり,よく熟成した柔らかい味のウイスキーが好みなのだろう.

京都みやこ蒸溜所 京都ウイスキー西陣織ラベル 紫帯
Kyoto Miyako Distillery The Kyoto Malt Whisky MURASAKI-OBI (Nishijin-ori)

確かなモルトの香味にバランスの良いスモーキーさと甘みで高級感を演出しました。絶妙なブレンド技術により、厳選された複数のモルト原酒の本来の味わいを感じていただけます。京丹波町の豊かな自然の恵みを受け、完成された繊細で心地よい余韻を存分にお愉しみください。
希望小売価格:4,500円

https://kyotoshuzo.com/product/ppl/

ロッホローモンド 12年 & グレンモーレンジィ オリジナル

さらに,スコッチウイスキーを中心に色々と飲んでみた.ロッホローモンド12年グレンモーレンジィ オリジナルなど.これらのウイスキーの中では,グレンモーレンジィ オリジナルが好みだ.一方,ザ シングルトン ダフタウン 12年は好きになれなかった.

ロッホローモンド 12年
LOCH LOMOND Single Malt Scotvh Whisky Aged 12 Years
グレンモーレンジィ オリジナル
GLENMORANGIE The Original
ウイスキーいろいろ

YAMAZAKI 12 > MACALLAN 12 > 26.112

2022年9月.信州大学で開催された学会に参加するために,京都から軽井沢まで新幹線輪行し,軽井沢(1日目),軽井沢から草津温泉まで(2日目),草津温泉から渋峠(日本の国道最高地点)を越えて長野市まで(3日目),ロードバイクで走ったあと,学会会期中の夜に後輩で友人の教授に,一緒に夕食を食べてからバーに連れて行ってもらった.

長野のそのバーで,3種類のウイスキーをいただいた.いずれも初めて飲むものばかりだ.

最初に注文したのが,山崎12年.ジャパニーズウイスキーの代表格であるらしく,ウイスキーを飲み始める前から「山崎」の名前はよく聞いていたが,飲むのはこれが初めてだった.確かに,美味しい.

次に注文したのが,ザ・マッカラン 12年 シェリーオークカスク.こちらも超有名な,スペイサイドで蒸溜されるスコッチウイスキーで,一度飲んでみたいと思っていた.とても美味しく,個人的には山崎12年よりも,ザ・マッカラン シェリーオーク 12年の方が美味しいと感じた.

山崎 12年
THE YAMAZAKI Single Malt Japanese Whisky Aged 12 Years
ザ・マッカラン 12年 シェリーオークカスク
The MACALLAN Highland Single Malt Whisky 12 Years Old Sherry Oak Kask
ザ・スコッチモルトウイスキー・ソサエティ 26.112
The Scotch Malt Whisky Society 26.112

最後に,ちょっと珍しいウイスキーを飲もうと思い,The Scotch Malt Whisky Societyのウイスキーリストを見せてもらった.その中から,テイスティングノートを読んで選んだのが,SMWS 26.112

弾けるようで、活発、陽気 SHERBETY, SPRITZY AND VIVACIOUS
香りは弾けるようで活発、陽気でダイナミック、そのフレーバーは「ビーチナッツ」チューインガム、焼きマシュマロ、タイ米、タバコ、「自転車店内のピザ」、そして沢山のバニラ。味も生き生きとして刺激的、辛く、ジューシーで甘かった – フィッシャーマンズ・フレンド、ネトル&ペパーミント・ティー、自家製レモネード、ソルテッドピーナッツ、そして永遠になくならないゴブストッパーキャンディ。加水した香りには「アメリカンクリームソーダ」、ジンジャービアー、綿菓子、リコリスオールソート、「チュッパチャプス」ロリポップキャンディが感じられた。味ははるかに近づきやすくなった – 若々しいが快く、ラズベリーソルベ、パイナップル、ココナッツがあった – そしておそらくほんの微かな何か美味しいものが。

https://smwsjapan.com/archive/26-112

そう.「自転車店内のピザ」と書いてある.それが普通のピザとどう違うのか,まったく想像できないが,自転車乗りとしては気になって仕方がない.

美味しかった.個人的には,山崎12年よりも,ザ・マッカラン シェリーオーク 12年よりも,気に入った.26.112の情報は以下の通り.

26.112
熟成年数  10 Years
蒸留年  2004/06
カスク  1st Fill Barrel
地域  Highland
ボトリング本数  239
アルコール度数  59.6

https://smwsjapan.com/archive/26-112

再び,バランタイン17年

スコッチを中心に色々なウイスキーを飲んでみて,実に様々な味のウイスキーがあるとわかった.個性豊かだ.このあたりで一度,原点回帰してみようと,バランタイン17年を購入した.やはり美味しい.

バランタイン17年
Ballantine's Blended Scotch Whisky Aged 17 Years

ところで,随分前の話になるが,サイクリング中に山の中で派手なジャージの集団に一瞬で追い抜かれたことがあった.録画したチャリダー・サイクルクリニックを見ながらバランタイン17年を飲んでいたとき,その集団の正体が判明した.この高校だ.北桑田高校,自転車競技部.

ここからさらに深みにはまっていくことになるのだが,その話は別の機会に.

© 2022 Manabu KANO.

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