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日本鉄鋼協会 計測・制御・システム研究賞を受賞

「モールド内溶鋼流動のリアルタイム推定」の研究成果にて,日本鉄鋼協会 計測・制御・システム工学部会より,部会賞である計測・制御・システム研究賞を受賞した.これは,JFEスチールの橋本佳也氏が中心となって取り組まれた研究の成果である.

本研究成果は論文として Metallurgical and Materials Transactions B にて発表している.

Y. Hashimoto, A. Matsui, T. Hayase, and M. Kano, “Real-Time Estimation of Molten Steel Flow in Continuous Casting Mold,” Metall. Mater. Trans. B, vol. 51, no. 2, pp. 581–588, 2020.

概要:連続鋳造機では溶鋼の流れを精密に制御する必要がある.このため,3次元遷移モデルを用いてリアルタイムに溶鋼流れを推定するアルゴリズムを開発した.従来のモデルでは浸漬ノズル(submerged entry nozzle: SEN)の閉塞などの外乱によって推定誤差が大きくなるという問題があった.そのような外乱の影響をモデルに取り込むため,SENポートにおける仮想的な外力を導入し,この仮想外力を調整することとした.シミュレーションによる検証を実施した結果,浸漬ノズルの閉塞によって生じる非対象な流れを精度良く推定することができた.

高炉操業支援システムの開発でもそうだが,橋本氏は精密な物理モデルを地道に構築し,成果を挙げておられる.実に素晴らしい.

© 2021 Manabu KANO.

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