YouTubeで手術動画の削除措置を受けた経験から学んだこと
子供が"ユーチューバー"になりたいと言ったら親としてどうアドバイスしますか?
実は私、アップロードした動画を削除される経験をしました。そして無事復帰するストーリー。
そこから得られた教訓、それは「ある程度は仕方がない。そして依存しないこと」でした。
YouTubeさんから事前の警告もなく、私の動画が削除された
「ガイドラインに違反した」とのこと。
内容は『粉瘤(表皮嚢腫、アテローム)の摘出手術』。
私の指導医である小泉正樹先生に教わった術式「小切開粉瘤摘出術」。小さな切開から摘出します。だから傷跡が小さい。すこぶるスマートな術式。
「この術式は世の中でシェアしたいぞ」と思っていました。そしてその機会が訪れ、患者さんの協力を得て撮影。
一生懸命に作った動画をひいこらアップしたのでした。
それがある日忽然と消えたのです…
本当にショックでした😭
YouTubeにはガイドラインがある
・著作権の問題
・刺激的な内容(子供の目に触れても大丈夫か?)
・詐欺
・スパム
・その他
これはよく理解できます。異論を挟む余地はありません。
放っておくと無法地帯になるのは目に見えていますから、監視することも大事。
さて私の手術動画は刺激的なのは事実。対象年齢は18歳以上に設定しました。かつ血の生々しい雰囲気をなくすためにモノクロに仕上げたのです。
大きな切開デザインで手術を受けている人が多いのが現実。医療関係者に知ってもらいたいと思い、タイトルに「医師向け」と筆頭に追記していました。
なおマネタイズ(視聴実績からの収入)もしていません。
それでも「ガイドライン違反」と突然判定されたのです(アップロードしてから2年以上経過していました)。
ではなぜ復帰したのでしょう?
それはガイドラインに違反していなかったから。
実はAIによって「機械的に判断し削除する措置」が取られていたのです。
したがって違反していなくても、誤って「ガイドライン違反」と判定されてしまうことがあるのです。
解決のためにYouTubeの運営に申し立てを行いました。
そしてガイドラインに違反していないことを運営側の「人」が確認し、復帰。
ところが!
それでも2度目の削除を受けたのです…そして改めて申し立てを行って復帰…
またまたAIが自動で判定しちゃったのですね。
心が折れそうになります。
3度目もあるかもしれません😨
その動画がこちらです。興味のない方、刺激物に弱い方は見ないでくださいね。(年齢制限を設けました)
今回の経験から得られた教訓
たしかに微妙なコンテンツではあります。けど類似のコンテンツで、かつカラフルに血生臭い動画がYouTube上には無数に存在するんです。大丈夫だと思ってしまった私も浅はかでした😢。
第三者のプラットフォームを借りるリスク
単体の動画だけでなくアカウントそのものが削除される可能性も当然ありますよね。
・ガイドラインに基づいて
・誤判定を受けて
・通報により
・政策としてアプリ使用禁止措置
このような要因で削除されます。
機械判定ではミスもあります。
ありとあらゆる表現には利害があります。通報されることもあり得ます。
某国のようにアプリ自体が国で使用できなくことだって。
そもそも、
ガイドライン違反に抵触するかどうかは運営側が決めることであって自分ではありません。
「科学的に倫理的に思想的に自分が正しい」と考え、事実95%の国民から支持されても、運営がNoといえばそれで終わり。
自己表現の場を他者のプラットフォームに依存することのリスクを認識したのでした。
これはYouTubeさんを非難しているわけではありません。むしろ今後このようなことは増えるでしょうから、利用者側がこれを理解する必要があります。
YouTubeさんも限られた人員で対処しているのでしょう。ガイドラインを無視した身勝手なアップローダーもいることでしょうからね。
パトロールの大変さをお察しします。
子供がYouTuberになりたいと言ったら?
私ならこう答えます。
「仕事の場をたったひとつのプラットフォームに依存しないようにしようね☝️」
かな?
あなたはどうします?
YouTubeは医師にとっての学びの場になっている?
こんな記事がありました。
無数にある外科手術のコンテンツ。医師にとっても情報源になっているということのようです。
追記
私は粉瘤切除の専門家ではありません。「こういう摘出の仕方もあるよ」という提案の動画でした。
粉瘤相談は近くの形成外科か皮膚科へ。
可能ならTwitter,Instagramも覗いてみて。 https://twitter.com/dr_kanaz https://www.instagram.com/dr_kanazawa/ いただいたサポートはJETSTREAMのペンの購入に使わせていただきます。