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建前と本音|眼瞼下垂手術を誰に執刀してもらう?

今日もセンシティブな内容です。本音を漏らします。

「眼瞼下垂手術は近くの眼科や形成外科で相談してください。万が一修正が必要になるような困難な状況になったら私のところに来てください」

これは私の建前です。表向きの態度。何というカッコつけた物言いでしょうか。

そしてここだけの本音。眼瞼下垂手術は可能な限り熟練した医師に委ねることが望ましいです。(自分の家族や知人だったらどうする?という視点)

「やっぱり!」「ひどい、無責任!」という声が聞こえてきそうです。申し訳ございません。

なぜ初回から熟練した外科医のほうがよいのでしょうか?失敗したらやり直せばいいじゃないかと思いますか?

熟練した医師は最も避けるべき合併症を知っているのです。例えば過大開瞼です。目が大きくなりすぎること。低矯正(矯正不足で目が小さい状態)の10倍苦しむ合併症です。そして修正が難しい。(万全を期しても起きるときは起きます)

だから経験のある医師は開き具合で迷ったら低矯正に振ります。あとでリカバリーがし易いからです。
修正手術になることを告知するのは心苦しいですが、過矯正になるよりは数十倍マシであると知っています。

一方経験の浅い医師は一発で結果を出したいというプレッシャーにさらされます。だから「低矯正も回避したい」という心境が生まれます。そして…。ここで患者さんの運命が分岐するのです。

経験の浅い医師の心境。これはすべての外科医が通ってきた道です。なので理解できることなのです。本当につらいことです。

さて、眼瞼下垂手術のようなマニアックな手術に通じた医師なんて身近にいるものではありません。患者サイドとして取れる対策はあるのでしょうか?

難問です。

私の提案です。執刀医に告げてみてください。(ある程度信頼関係ができていることが望ましいですが)「迷ったら控えめの目にしてください」と。

この言葉は執刀医のプレッシャーを和らげるでしょう。過大開瞼リスクを減らすことでしょう(もちろん絶対ではありませんが)。


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