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医療の原罪その2

同じ人口規模の国がA,Bふたつあります。年齢構成もほぼ一緒。違うのは医療のレベル。

A国はいわゆる近代国家的であり、国民はほぼ全員寿命をまっとうします。一方B国は、3人のうちひとりは成人する前に病気で亡くなります。その分出生率は高い。(栄養状態や経済的な差は両国の間にはないものとする)

問題です!あなたにとってどの国が魅力的もしくは望ましく見えますか?(思考実験)医療の充実したA国?それともそこそこ亡くなるB国?

医療に携わるものは0.5秒でA国が理想であると答えるでしょう。ほぼ全員が。

この質問の意地が悪いのは何をもって望ましい、魅力的とするか、その評価軸が明示されていないことです。

ですが人生そんな”問い”だらけジャン。そこから自分なりに軸を用いて答えを導くんだ☝️

と、脱線しましたが、B国が望ましいとする価値観もあるよねってことを言いたいんです。

B国にあってA国にないものとは?

病気の苦しみ、身近な死。離別の悲しみです。身を裂かれる辛さですよね…😭

でね。視点を変えるとその分生きることの価値、幸せをぎゅっと感じるのです。家族や友人と同じ空間を生きて共有すること。その幸せを痛烈に意識します。一年ぶりに会う甥っ子をぎゅっと抱きしめます。また(生きて)会えて嬉しいよって。自分の健康に多少の不具合があったってそれは小さいこと。

一方、A国は寿命をまっとうするのが当たりまえ。死は身近にありません。忌み嫌い避けて克服すべきもの。そして生きているのがあったりまえ。87歳で亡くなったら「誰のせいだ、訴訟だ」。

そして健康志向が義務。サプリや健康器具、健康診断に財産と時間(人生)を浪費する。健康の不具合を放置すると「意識が低い」「ならずもの」と低評価を受ける社会。息苦しい、じゃなかった生き苦しい社会に見えませんか…

あなたのご意見を聞かせてください😃

医療が本質的に内包する罪=原罪

以前それについてボソリとこぼしました。健康問題を啓発するほどに不幸になる人を量産するという…

今回は医療の原罪ふたつめでした😅

※この思考実験は答えを捻り出す必要はありません。思考のプロセスを味わうものです。また医療業務に奔走する真面目な医療関係者を否定する意図はありません。

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