見出し画像

ドラッグストアで頭痛薬を買う時に知っておきたいこと。

2024年1月24日に第一三共よりカロナールAが新発売されるとのニュースがありました。
これはOTC医薬品といい、ドラッグストアで購入できる頭痛薬です。
かつては市販薬や大衆薬と呼ばれていました。
仕事や学業ですぐに頭痛を抑えたい時に、ドラッグストアですぐに購入できるというのはかなりありがたい存在です。
ただ、OCT医薬品はその内服や成分について注意が必要です。
現在、ドラッグストアには多種多様な頭痛薬が並んでいますが、どのように選んでいますか?
OTC医薬品の注意事項と、新発売のカロナールAになぜ期待するのかをまとめます。


OTC医薬品とは

OTC医薬品はOver the counterの略で、ドラッグストアでカウンター越しに購入できる医薬品を意味します。
最大の特徴は、医師の処方箋なしに買えるそのアクセスの良さです。
僕自身、『頭痛を今すぐなんとかしたいのに手元に痛み止めがない!』という時に緊急避難的に利用しますが、定期的な内服はオススメしません。
最初に言いますが、定期的(週に1回以上)に頭痛薬を飲む人は必ず頭痛外来に通院してください。

OTC頭痛薬のデメリット

鎮痛成分が少ない

OTC医薬品は、医師の処方箋を必要としない手軽さの反面、薬剤の副作用が出ないように内容量が少ないことが多いです。
例えば、アセトアミノフェンという鎮痛成分がありますが医師が頭痛に対し処方する際、1回あたり300mg~1000mg程度処方することが一般的です。
一方、OTC医薬品の中でも比較的鎮痛成分が多いものを見てみますと。
バファリンプレミアムDX→1回あたり160mg
セデスハイ→1回あたり125mg

と医師の処方薬に比べて鎮痛成分の含有量が少ないことがわかります。

薬剤乱用を引き起こしやすい

鎮痛薬を定期内服する方は、「薬剤使用過多による頭痛」という頭痛薬の飲み過ぎによって逆に頭痛が悪くなるという悪循環に陥ります。
現在、慢性頭痛に苦しむ患者さんの多くはこの薬剤使用過多が原因の1つと言われています。
頭痛薬の使用過多が頭痛を引き起こす話は詳しくは↓↓をご覧ください。

話を戻します。
実はこの薬剤使用過多による頭痛の原因の多くがOTC医薬品のせいと言われています。
その理由として、1つは医師の診察を介さず内服できるので気づかない間に使用過多になってしまうというのがあります。

もう1つの理由が、先ほど述べた鎮痛成分の少なさに関連します。
OTC医薬品は鎮痛成分が少ない分、いろんな種類の鎮痛成分を少しずつブレンドして作られます。
例えば、先ほど紹介したバファリンプレミアムDXの成分をみますと、、
アセトアミノフェン160mg
イブプロフェン160mg
無水カフェイン50mg
と3種類の鎮痛成分が配合されています。
それぞれは悪いものではありませんが、この少量多種の鎮痛成分を混合する薬剤の仕様が、薬剤使用過多による頭痛を招きやすいと言われています。


特に避けたい成分「〜〜尿素」

OTC医薬品は多種の成分が混合されているという話をしましたが、特に注意してほしいのが「〜〜尿素」という成分です。
例えばバファリンプレミアムセデスハイに含まれる「アリルイソプロピルアセチル尿素」などがあります。
これは、いわゆる眠くなりやすい成分です。
医学的には鎮静剤と言いますが、要は頭をぼーっとさせることで痛みを感じにくくするということです。
繰り返しですがOTC医薬品は鎮痛成分が少ないため、それを補強するために鎮静成分が入れられることがよくあります。
しかし、次の2点から鎮静成分の入った頭痛薬は内服を避けた方がいいです。

1:眠気や眩暈を引き起こす。
鎮静成分なので当然眠気が引き起こされます。
これは、頭痛を抑えて仕事や勉強に集中したい人にとって、本末転倒の結果ではないでしょうか。
また、車の運転など危険を伴う作業をする方には絶対に内服をオススメしません。

2:依存性を形成しやすい。
この鎮静薬は、薬物依存を形成しやすい成分として知られます。
先ほどお伝えしたように、頭痛薬内服で最も避けたいのは使用過多によりかえって頭痛がひどくなる状況です。
そもそも鎮痛薬の頻度は減らすのが望ましいという中で、依存性の高い内服薬を飲むことは避けるべきと考えます。

以上より「〜〜尿素」の成分は海外では販売停止になっていますが日本では容易に手に入るのが現状です。
よって鎮静成分の危険性は、患者さん自身が知っておく必要があります。

新商品カロナールAに期待すること

2024年1月24日に新発売されるカロナールAは、アセトアミノフェン300mgの単一成分であり、医師が処方する用量に匹敵する成分の多さとなります。
多種の鎮痛成分の配合ではない点でも他のOTC医薬品のデメリットがかなり軽減されていると考えます。
僕も、市販薬を買う際はできるだけアセトアミノフェンの多いバファリンプレミアムDX(160mg)を購入していましたが、300mgが市販されるのであればそちらを選ぶかな〜と考えています。
アセトアミノフェン単剤の市販薬が手に入ることで、薬剤使用方過多の危険性は抑えられることが期待されますが、それでも使用過多の危険性が十分にあるお薬なので、週に1回以上頭痛薬を内服する人はやはり頭痛外来に行くようにしましょう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?