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逆流性食道炎ですね

って健診の結果説明で言われた事ないですか?
こいつの本名は「胃食道逆流症」といってガイドラインもあるくらい有名な病気なので、実際に診断を受けて治療されている方も多いと思います。

胃から胃酸が産生されていることはご存じだとは思いますが、胃酸というのは理科の実験で使った塩酸と同じくらいの酸性っぷりがあります。それでも胃がただれないのは、胃は強力に粘膜保護されているからなのです。しかし、食道には粘膜保護がないので胃酸が逆流すると食道の粘膜がただれてしまう。コレが「胃食道逆流症(以下、逆流性食道炎)」です。

実際の治療

となれば、治療方法は
①胃酸の分泌を抑える
②胃酸が逆流しないようにする

となりますよね。
逆流性食道炎で病院に通って治療されている方はプロトンポンプ阻害薬という胃酸の産生を少なくする薬が出されている事と思います。つまり①の治療をされています。
今回は②に関して、あまりご存じでない方が多い生活上のポイントをお伝えいたします。

どっち向きで寝てる?

皆さんは寝るときに横向きで寝ますか?仰向けという方やたまにうつ伏せという方もいるようですが、結論から言うと逆流性食道炎の症状を抑えるには左を下の状態で寝るということが大事です。

胃イラスト1

胃薬のパッケージとかにあるように、胃は上のような形をしています。黄色いところに胃酸があると思って下さい。この黄色が食道(図でいうと上側)に流れ込むと逆流性食道炎の症状が増悪します。
※胃の形は向き合った状態ですので、向かって右側がその人の左側です
ではどちらかを下にしてみると胃酸はどうなるでしょう。

胃イラスト2

左を下にして寝ると、胃の下側のたるんだ部分(大弯といいます)に胃酸が溜まるため、胃酸は食道側へは逆流しません。
しかし、右側をしてしまうと胃酸が溜まるスペースがないため、簡単に胃酸が逆流してしまうんです。

左側を下にして寝ましょう

逆流性食道炎の治療は胃酸の分泌を抑制することは大切です。しかし、以上の解剖学的な理由で意外と簡単に胃酸の逆流を防ぐことができます。
ちなみに逆流性食道炎でなくとも、お酒を飲み過ぎた日とかでも有用なので試してみて下さい。

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