先物取引はオプション取引でもある話

先物とオプションを別に考えている人は多いと思う。
が、しかし実は同じものを扱っているとも言える

どういうことだろうか?

合成先物

合成先物(ごうせいさきもの)

先物の売付け又は買付けを行った場合と同じポジションとなるよう、同じ限月、権利行使価格のコールオプションとプットオプションを組み合わせたものです。

https://www.jpx.co.jp/glossary/ka/149.html

合成先物という考え方がある。コール(先物が上がったら儲かるオプション)とプット(先物が下がったら儲かるオプション)を組み合わせると先物のラージとおなじことになる。

具体的には、
合成先物買い = コール買い+プット売り
合成先物売り = コール売り +プット買い
となる。(権利行使価格が同じオプションを利用した場合)

実際は、オプションの場合は権利行使価格が異なるとパラメータが異なるためにそこまで単純ではないが
先物をオプションに分解することが可能となる。

オプション取引の優位性

合成先物の優位性はいろいろあるが、1つは資金効率の優位性がある。
先物ポジションには証拠金が必要となるが、買いポジションを組み合わせることでレバレッジを効かせることができる。
さらに、
割安なオプションを買い、割高なオプションを売ることができれば
通常の先物買いよりも優位性を持つ可能性がでてくる。(売りでも同様)
したがって、先物取引だけでの運用よりもチャンスをえる機会が増える可能性もでてくる。
必ず勝てるわけではなく、リスクも存在するが考え方としては先物取引よりも優位性が生じる場合は合成先物の利用を考えてもよいかもしれない。

分解による利益確保

先物はデルタのリスクをとっている。
ポジションの順行すれば利益になるし、逆行すれば損失となる。
そして、含み益は利益確定をおこなわない限り利益とならない。
せっかくリスクを負っているのに、含み益を確保したいという場合どのような手法があるか?
1つは、両建てであるが、これは決済とかわりない。
もう1つは前述の合成先物を利用してみる方法である

先物の買いに売りをぶつける(合成する)ことで利益確定が可能となる。
一般的な手法としては、
合成先物売り = コール売り +プット買い を組み合わせる

先物買い+コール売り = カバードコール
先物買い+プット買い = プロテクティブプット
先物買い+コール売り+プット買い = ベアシンセティック

といった方法がある。
ということで、先物の戦術を広げることが可能となるオプション取引もあるという話を紹介した。



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