家族としての父親
私の父親は50歳を少し越えた頃、今となってはかなり若くしてなくなった。
父の実家は、新潟にあり、私も母とそこに住んでいたのだが、父は祖父が起こした建設会社が群馬の方にあったため、その会社に務める形で、私が幼い頃から単身赴任を続けていた。
その内、祖父が亡くなり、父が会社を継いだため、家に帰ってくるのは仕事がない週末。それも1980年代半ばからバブル期が続いたため、仕事も忙しく、2週に1回くらいの帰宅となった。
バブルが弾けた後は、様々な仕事を取るために、割に合わない、小さな仕事でも働かなければ、家族どころか、自分の食い扶持すらも怪しくなっていた。
その頃には家に帰ってくるのは、半年に1回くらいとなり、最後は山梨県で倒れた。
その、20年ほどの単身生活の間に色々とあったのだろう。
家が担保に入った多額の借金やら、国外にいる別の家族の存在やら、その他もろもろのイザコザがあった事が、亡くなった後に発覚し、故人を偲ぶ前に、その対処で1年ほどバタバタしていた。
そのせいか、私には父の家族としての想い出などというと、ほとんど無いに等しい。
(ここまでで10分)
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