【ふしぎ旅】逆さ竹
新潟県新潟市に伝わる話である
越後七不思議と呼ばれるものの中でも有名なものの一つだろう。
宗教の奇跡的な話というと、強力な法力で妖怪を退治したとか、悪者をねじ伏せるなどとするものが多いが、越後親鸞の七不思議は、死んだ鮒を生き返らせたり、竹の杖を再び甦らせたりと、生命の再生に関するものが少なくない。
自分のすごさでは無く、弥陀の力によって、命そのものの有難さを説く親鸞ならではの奇跡だろう。
逆竹は竹の中でも淡竹が、枝が枝垂れ状となり、成長する変異種であり、今も西方寺付近に存在する。
とは言え、伝説のように竹林全てがというわけでは無く、比較的多く存在するというほどのものではあるのだが。
逆竹の藪は、現在公有地として整備されている。
訪れると、住宅街の一角に、そこだけ別世界と思うほどの広い竹林があり、驚かされる。
逆さ竹と呼ばれる竹には、目印があり、分かりやすくなっている。
確かに竹の枝が反対向きにしなって出ている。
枝に雪が積もるとこんな感じで限界まで笹の枝はしなる。
非常に雪が降る新潟だから、こんな変異種が生じても、かえって幸いと枝が折れずに、その種が生き延びたのかもしれない。
笹薮の中心部あたりには、親鸞像が立ち、その旧蹟を伝える。
その昔より、人々の信仰の拠り所となっていることが分かる。
一つ、訪れる際の注意としては、夏に訪れるのは避けた方がよいかもしれない。
夏の竹林というと涼しげではあるが、それ以上にやぶ蚊の数が多い。
昔ながらの天然の竹林であるせいか、通常の蚊よりも、激しく血を吸ってくる。
あるいは、この蚊も親鸞聖人の霊力を受け継いでいるのかもしれない。
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