対人関係は「VR」で鍛える時代がきた。精神科医の私がデジタルツールを開発する理由。
対人関係(ソーシャルスキルトレーニング)は「VR」で練習する時代がきたというお話です。
対人関係のスキルを学ぶソーシャルスキルトレーニング(SST:Social Skill Training;)という方法があります。
対人関係の練習をする方法として、理論を学ぶだけでは不十分です。実際に対人場面を作り出したうえで、「役になりきって」、「何と言うか」「どのように言うか」ロールプレイを行って、やってみるといったものです。
ソーシャルスキルトレーニングは病院など医療や療育など教育や福祉の場で行われてきました。最近では書籍などもでており、家族の方が勉強して行うということもあったと思います。
そんなソーシャルスキルトレーニング、現在はバーチャルリアリティ(Virtual Reality;VR)で行われるようになってきております。
バーチャルリアリティは、VRゴーグルというものを使うと、360度見渡せる空間に入り込めるといった機器です。
そのVRで対人場面をつくりだすと、実際にそこにいるかのような没入感やリアリティをもって体感できます。リアルな対人場面で練習をすることができるとより実践的な練習ができます。
また、精神科医視点ですと、対人場面の話す内容や話し方には「こんなふうに工夫するといい」ポイントがあるのです。自然に身についている方にとっては、改めて「自分はこんな工夫をしている」というふうに話すことは少ないかもしれません。けれども、工夫を発見するのが難しかったり、工夫を言葉にするのが難しい方もいます。そういう方には、一緒に工夫を発見していく過程を通して効果的に学ぶことができるのです
もし親だったら子どもに将来生き抜いていくための対人スキルを教えたいと思うのではないでしょうか。支援者としても、対人スキルを鍛える術を持っていたいものです。
それがテクノロジー✖️クリエイティブの力で少しでも楽しく楽に行うことができたらと願い、日々デジタルツールの開発を進めています。
*著者は、現在、都内のIT企業で、VRを活用したソーシャルスキルトレーニング実施支援機器を開発しています。
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