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アトピー性皮膚炎 最新治療2023.5

 次々に登場する,アトピー性皮膚炎の治療をアップデートしておきました.


アドトラーザ


 一番最新の薬としては,IL-13R阻害薬,アドトラーザ(一般名トラロキヌマブ)という注射です.実際に投与できるのは,数か月後とのことですが,「デュピクセントの弱点を補えるか!」が注目です.

 治験のデータからは,皮膚炎への効き方は少しゆっくりですが,結膜炎の副作用は,比較的少ない.ということが読み取れます.実際の臨床現場での印象が楽しみです.

 初回4本,2週間毎に2本ずつ皮下注で,デュピクセントの倍投与となりますが,おそらく痛みは少ないようで,期待が高まるところです.

 お値段は,最近の新薬と同じくらいの負担で,月4万円程度というところでしょう.どの新薬でも同じですが,発売後1年間は2週間間隔の診察が必要ですので,自己注射で3か月毎というのは,発売1年はできません.

 アドトラーザInstagramでも紹介しています.

ミチーガ


ミチーガ皮下注 1回/月

 ミチーガ皮下注(ネモリズマブ)は,皮膚炎がでている割に,かゆみが治まるというアンバランス感がでるくらい,かゆみをしっかり押さえてくれます.さて,この薬が合う患者さんがどのような方なのか,時代の流れを興味深くみさせていただいています.

ミチーガのInstagrum

コレクチム軟膏,モイゼルト軟膏


コレクチム軟膏
モイゼルト軟膏

 外用は,コレクチム軟膏(デルゴシチニブ)とモイゼルト軟膏(ジファミラスト).共通点は,ノンステロイドで効果が超マイルドなところ.塗り心地はコレクチム>モイゼルト赤みを抑える力はモイゼルト>コレクチム.アトピー性皮膚炎だけに効果が高いモイゼルトと,それ以外の皮膚炎にも効果があるコレクチム.

 実に興味深いです.

アリル炭化水素受容体作動薬 タピナロフ 

 変わり種としては,Ach作動薬のタピナロフ.皮膚の細胞のアリル炭化水素受容体というのを刺激,作動して,皮膚バリア機能に関わるフィラグリン,ロリクリン,インボルクリンなどのたんぱく質の増加を促すようです.

 アリル炭化水素受容体Achって,ダイオキシンとか,タバコに含まれる成分によって刺激をうける受容体なのですが,普通,逆だと思いませんか?

 タバコすったり,環境の悪いところにいたりすると,アトピー性皮膚炎の皮膚炎は悪くなるとほぼ100%みなさん思いますよね,現代の常識ですよね.

 どういうメカニズムかは,非常に興味深いところですが,皮膚の細胞ケラチノサイト君は,たぶん,環境ホルモンの刺激をある程度受けると,逆に皮膚のバリアを強くして対抗しようとするのでしょうね.

 新しい薬がでてくると,こうやって,いろいろなことが分かってくる.

 実に興味深いです.

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