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黒大豆にハマるワケ

 2020年1月30日に発表された日本人約9万人を対象にした5年間の追跡調査の結果で、発酵性大豆食品を食べている人ほど総死亡リスクが低いことが分かりました。

 日本人は昔から大豆をよく食べてきました。豆腐、味噌、納豆、煮豆、きな粉など、普段食べている和食には高頻度に大豆が登場します。
何気なく口にしてきたこの大豆、実は栄養素のかたまりともいえるスーパーフードなのです。

 豆類には炭水化物を多く含むグループと脂質を多く含むグループに分けられますが、大豆は、脂質を多く含むグループに入ります。
 大豆の栄養成分は、炭水化物29.5%、脂質19.7%、たんぱく質33.8%です。炭水化物=糖+食物繊維です。大豆は炭水化物中の55%を食物繊維が占めており糖質の割合は多くないので、糖質を控えたい方にはお勧めです。

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大豆の機能性成分で特に注目したいポイント

・食物繊維が豊富
大豆の食物繊維は可食部100gあたり17.9gです。茹でたり煎ったりすると、成分が変化してさらに増えます。煎り大豆は19.4gです。
野菜の中で特に食物繊維が豊富なゴボウは5.7g、人参は2.8gです。これらと比べてみるといかに大豆の食物繊維が多いかがお分かり頂けると思います。
 食物繊維が多いとなぜ良いのでしょうか。体に吸収されない食物繊維は栄養価が低いと思われ、あまり注目されていませんでした。ところが、近年になって便秘だけでなく、様々な疾患の予防効果が明らかになりました。1日に25g以上食物繊維を摂る人は、早期死亡率が低下し、糖尿病、虚血性心疾患、大腸癌による死亡率が5〜27%低下することも明らかになっています。認知症を予防する効果も次々に発表されています。
 また、食物繊維を含むドリンク、サプリ、スナックから摂取してもあまり効果はなく、自然食品から摂ることで効果が得られます。

・たんぱく質が豊富
 たんぱく質を摂るメリットには、筋肉を作ることで代謝を上げ疲れにくい体を作ること、神経伝達物質の材料となって精神安定や自律神経のバランスを保ってくれることなどがあります。
 たんぱく質は多種類のアミノ酸でできていますが、含まれるアミノ酸の種類・割合は食材によって違います。プロテインスコアという指標があり、バランスよく必須アミノ酸が含まれているものほど数値が高くなります。大豆のプロテインスコアは56であまり高くはないのですが、それはメチオニンが不足しているためです。メチオニンが多く含まれる卵や煮干しなどと一緒に食べることでバランス良く必須アミノ酸を摂取することができます。

・ポリフェノールが豊富
 ポリフェノールにも色々ありますが、大豆イソフラボンは女性ホルモン様の作用があります。更年期障害のほてり症状などを軽減し、2型糖尿病や脂質異常の数値を改善することが報告されています。イソフラボンをサプリやドリンクなどで大量に摂取することには注意喚起が促されていますが、大豆食品として摂取する範囲の量では問題ないとされていますので毎日食べても何ら問題ないと考えます。
 ちなみに、黒大豆の皮にはアントシアニンやカテキンなどのポリフェノールが含まれていますが、加熱加工で分解しやすく水に溶けやすいため、煮豆、蒸し豆、納豆、豆乳にするとアントシアニンやカテキンはほとんど残っていません。黒豆茶で20%、煎り豆にすると50%程度残ります。

・ピニトール
 豆科の植物などの含まれるピニトールは、脂肪肝、肝硬変の予防や治療に用いられる成分です。インスリン並みの効率で血糖値の上昇を抑える効果もあり、肥満抑制効果も確認されています。骨格筋にエネルギーを誘導するので運動パフォーマンスを上げることも期待されます。多嚢胞卵巣症の病状改善報告もあり、今後さらに注目が集まりそうな栄養成分です。ただし、これも水溶性が高く納豆などにはほとんど含まれません。大豆の煮汁を飲む、煎り豆を食べるなどの方法で摂取するのが良いでしょう。

黒豆パンダ


↑ 黒豆パンダ(ヨーグルトに蒸し黒豆を入れた)

ではなぜ、私は大豆の中でも黒大豆にハマるのか?
 それは・・・
 ホクホクして美味しいから!
 料理しやすいから!
 見た目がかわいいから!

 黒豆っていうと、正月の甘味たっぷりの黒豆を思い浮かべる方が多いので、ふっくら煮るのにコツが入りそう、時間がかかりそう、などと敬遠される方もいらっしゃいます。
 でも焙煎黒豆を使えば、とっても簡単に調理できます。砂糖を入れなくても甘味があってとってもおいしいです。自分で煎っても良いのですが、1時間くらいかかるので私は初めから煎ってあるものを使います。

クロダマルマーク(maru)


 黒大豆については産地や品種によって栄養素の含有量が異なります。私の住んでいる福岡県には筑前クロダマルという品種がありますが、他の品種に比べてアントシアニンの含有量が群を抜いて1位となっています。論文によると暖地で育てられることが原因の一つです。
 この栄養バランスの良さと美しさと美味しさに惹かれ、私は数年前から筑前クロダマルのすっかりファンになってしまいました。煎り黒豆はお茶にもでき、お茶を飲んだ後は美味しく食べられるのでかなり重宝しています。自社ラベルで煎り黒豆を販売し始めたほどです。煎り黒豆レシピも少しずつ公開していく予定です。

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最後に

今回は大豆の良いところをたくさん書きましたが、大豆や黒大豆ばかり食べることを推奨するわけではありません。多くの栄養素を多くの食材から摂ることをオススメします。自然界の食品にはまだ解明されていない栄養素がたくさんあり、今わかっている栄養素の働きを補助している可能性が大いにあると思います。だからこそ、サプリだけでは健康を作れないのです。普段の食事でどうしても足りない場合に上手に利用するのがサプリ。まずは地元のの農家さんが作った安心食材を数多く取り入れてみるのはいかがでしょうか。

香ばし焙煎黒豆

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