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余韻が残り続ける映画「ベイビー・ブローカー」

今回はカンヌ映画祭で2冠に輝いたことで、今話題の映画「ベイビー・ブローカー」です。見終わったときからちょっと心がざわざわしています。この感じはなんだろう?!

是枝裕和監督

万引き家族の是枝監督作品です。最近の是枝作品のテーマは貧困がテーマです。貧困の問題はどうすればいいのか、考えさせられますね。

あらすじ

赤ちゃんを産んだものの、育てられず赤ちゃんポストに預ける母親と、貧困故にお金のために養親に金で売り渡すベイビー・ブローカーに手を染める主人公二人、が養親を探す旅に出るストーリーです。

一緒に旅をすることで、喧嘩をしたり、話をしたりとコミュニケーションを交わすことにより、だんだんと心を寄せていく様子が描かれます。

韓国人俳優が出演する日本映画

これはこの映画を見始めてすぐに思ったことです。出演者は韓国人だし、舞台も韓国、でもまごうことなき日本映画でした。ほとんどBGM がない中ストーリーが進行していること、セリフがゆったりとしていること、全体的に静かなことなどが日本映画を感じました。

そこそこの数の韓国映画や韓国ドラマを見てきましたが、なんか不思議な感じでした。韓国映画と日本映画って違うんですね、ちょっと発見でした。

韓国のほうが貧困は深刻

これは比べるものではないかもしれないけど、日本より韓国のほうが貧困具合は深刻ですね。一番それを感じたのが、主人公の車のハッチが閉まらないところ。日本では普通ありえないですよね。主人公たちはハッチを紐で縛ってそれをひっぱりながら旅を続けます。

これは一つの例で、その他にも貧困は、日本の比ではないと感じられました。日本はまだ恵まれている気がしますね。

不幸の連鎖

ベイビー・ブローカーの一人は児童養護施設出身なんですね。どうも恵まれない過去があるから、ベイビー・ブローカーという犯罪に手を染めたというようなことが匂わされるんですね。不幸は連鎖するだよなと、この部分は心を揺さぶられたところです。

実は彼には引き取りたいと願い出た人が出たようなんです。でも、それを断り続けた。なぜなら、母親が「必ず引き取りにきます」と書き置きを残していたから。それを信じたんですね。

ラストの方で、ようやくいい養親に出会えて赤ちゃんを引き渡す前夜、若い母親が赤ちゃんを慈しんでいる様子を見て、彼が「どうして自分の親が迎えに来なかったか理由が分かった」というシーンがあって、そこはジーンときました。映画全体の雰囲気と相まって印象的なシーンになってます。

とにかく、色んなことを考えさせられ、余韻が残り続ける、そんな映画です。

ちなみに、カンヌ映画祭で主演男優賞を獲得したソン・ガンホの出演映画でおすすめなのが、「タクシー運転手」ですね。これもおすすめ!


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