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書評「悪魔の傾聴」 これが実践できればまさしく悪魔!

こんにちは、サカモトです。

今回は、「悪魔の傾聴」という本についてです。今、イチオシの中村淳彦さんの本です。


中村淳彦さんの本については、これまで何冊か書評書いてきました。

東京貧困女子

中年婚活

ワタミ・渡邉美樹日本を崩壊させるブラックモンスター

などです。

中村さんの本は、日本の最底辺を取材したルポで、普通に生きていたら、なかなか経験できない話などが読めるので、とても面白いです。


さて、悪魔の傾聴の本の話に戻ります。

この本はこれまでAV女優や風俗に勤める女性、貧困女性などの社会の最底辺と言われる人たちにインタビューしてきた中村さんが、これまでどのように本音を引き出してきたのか、そのノウハウが詰まってます。

基礎編の第一部からはじまり、第二部の実践編、第三部の悪魔になるための心構えを経ての、上級編の第四部の四部構成となっています。

第一部の基礎編は、否定する、比較する、自分の話をするの三大悪など、当たり前の内容かなと言う感じです。

まあ、結構できてない人も多いとは思うので、基礎編だけでもためになると思います。

しかし、まあ、当たり前の内容なので、悪魔とは言えないんじゃないのという気がします。

それが第二部からだんだんと悪魔的な要素が出てきます。例えば、手首にリストカットの跡を見つけた場合は、手首の傷どうしたの?と聞くのがいいんだそうです。

これは意外でしたが、自傷のあとについてはどんどん聞いたほうがいいそうです。それで拒否されることはないとのことです。

これは意外でした。しかし、こんな話はまだ序の口です。


第三部になると、もっとえぐい話が出てきます。

これは東京貧困女子にも出てきますが、自殺未遂の話をカミングアウトされたときの対応方法について書かれています。

そんなショッキングな話を聞いても、こころを心を揺らして相手に同情してはだめで、冷静に相づちを打ち続けるのが正解です。

冷静に聴き続けることで、相手は話してもいいんだと、どんどん本音を話すそうですね。なるほど。

しかし、これはなかなかできそうもないですよね。ただ、これは慣れ、受容力の問題でもあるそうです。


でもですね、まだこれは序の口です。

実は第四部の上級編がものすごいです。

詳しくは書きませんが、相手の本音を引き出すためのテクニックが11書いてありますが、このテクニックが実践できれば、相手の本音を引き出してしまうだろうというものです。

しかし、この技法はあまりにすごすぎて、簡単には真似できそうもありません。

まさしく、悪魔の技法と言えるでしょう。

読んでて恐ろしさを感じましたね。とにかくすごい本です。



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