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ワコールのアバター接客で、自分に合う「下着(アンダーウェア)の相談」をしたところ,最高のユーザー体験だった件。

こんばんは!今年も残り2ヶ月ですね。振り返るには早いかなと思いつつ、クリスマスやお正月がもうそこまで迫っているという衝撃の事実...。2020年、早すぎ〜!と心の中で唱えるこの頃です。

今日の記事テーマは「下着」について!(突然なぜ...?と思った方最後まで読んでいただけると"デジタルとフィジカル"に繋がる話なので、お付き合い頂けたら幸いです。汗)※PR案件でもありません。

突然すぎる問いかけですが、女性のみなさんは「下着」ってどうやって選んでいますか?私はあまりこだわりがないまま、なんとなく「デザイン良さそう?可愛いかも?」という見た目で選び、なんとなく入った下着屋さんでフッティングしてもらい、「このサイズなのか!」とその場で納得し、買うことが多い傾向です。前回買ったサイズを覚えておいて、他の下着屋でも同じものを選ぶの繰り替えし。私みたいな方に「なんとなく」で購入する人は意外と多いのではないでしょうか?

その一方で、下着にはこだわりがあって、定期的に専門店に行ってサイズを測って、形が崩れていないかなどを細かくチェックすることを欠かさないストイックな方もいるかもしれません。下着ブランドでいうと「ブラデリス」辺りは代表格な気がします。

またその一方で、サイズのフッティング自体に抵抗があって「通販で手探りで自分に合いそうなサイズを手当たり次第買って試す」みたいな方もいるかもしれません。人によっては、下着の試着や相談ってセンシティブな内容になりえますよね...。気軽にリアル店舗で買いにくい場合もあると思います。

でも安心してください。「アバターに扮した店員さん」に相談できる時代がやってきました!ワコールが始めたアバター接客サービス「パルレ」を体験して、相談しにくい悩みを抱えている人の救いの一手になると感じたので、そのレポートを詳しくまとめていきます。

ワコールのアバター接客パルレって、どんなサービス?

ワコールのパルレは、アバターと楽しく会話の出来るリモート型のカウンセリングシステムのサービス。店舗スタッフに話しかけるように下着の選び方を画面のアバターにご相談出来る、というのが最大のポイント。

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・自分の体を3Dボディスキャナーで計測することで、より具体的なサイズ感がわかる
・現在の下着に関する悩みを知識を持つスタッフに相談できる
・計測データを元に具体的な下着の選び方のアドバイスが受けられる

1番のポイントは「対面接客」ではないこと。アバターに扮したスタッフが遠隔で接客してくれるので、対面での接客が苦手な人にぴったりです。約1時間ほど、個別カウンセリングサービスを無料で受けることができます。

実際にサービスを体験してみて

予約

まず最初にネットでカウンセリングの予約をします。

現在の予約枠が平日は「月・水・金」のみで、予約枠も2枠(11:30~12:20もしくは18:15~19:05) しかないため、「気軽な気持ちですぐ行くぞ!」と決めても、結構先まで予約がいっぱいな可能性があります。(土日もありますが人気で中々取れない)

私は運良く平日の18時枠が予約取れたので、さっそく行ってきました。ネット予約は非常にスムーズで特に迷うこともありませんでした。

当日

現在対応している店舗は「東急プラザ原宿」のみ!

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少しわかりにくいですが、茶色のカーテンの奥に「接客を受けられる個室」があります。

この店舗は、3D計測とアバター接客に特化した店舗のため、下着を売っているスペースはごくわずか。ショーケースのようなブースに展示されている状態なので、「下着を買いに来た!」という意気込みで言ってしまうと拍子抜けするかもしれません。

時間の10分前に到着したところ、時間になるまではタブレット端末を触ってお待ちくださいとアナウンスされました。

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ソファの各所にタブレットが置かれていました。私はまだ3D計測を受けていなかったので、右側の「自分にぴったりなブラを探す」のコンテンツを選んでみました。

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年齢や何を重視して探すか?などの設問を選んでいくと、最終的にAIが自分に合いそうな下着を探してくれるというもの。UIがスムーズで非常によくできていました。(年齢をあえて答えないという選択肢も用意されているので、センシティブな設問設計もバッチリですねw)

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一覧で並ぶデザインをみていると「レースが繊細そうに見えるし、デザインこだわっていて素敵な感じ...」という印象を受けました。

時間になって個室ブースに入る

時間になるとスタッフさんが個室ブースに案内してくれます。ここから約1時間ほど、この個室を使ってカウンセリングが始まるのですが「ちゃんとした個室」であることにまず安心感を覚えます。(ドアも密閉されているし、外の販売ブースからは絶対見えないように茶色のカーテンまでついてる)完全なるパーソナル空間です!

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カウンセリングブース自体は2〜3畳ほど。その奥に3D計測用のブースがありました。

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テーブルにはカウンセリングや計測で使うアイテムがズラッと並んでいました。落ち着いてカウンセリングを受けられるような空間づくりを意識しているのか、全体的に温かみのある空間デザイン。

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接客を受けられる準備が整ったら、カウンセリングしてほしい店員アバターを選びます。(正直ここでアバター選択することの意味がわからなかったのですが、完全に好みで選ぶ感じですね...!)私側はアバターにすることができないので、そこはひとつデメリットポイントかもしれません。

カウンセリングスタート!

「スタート」を押すと、遠隔にいる店員さんと繋がって会話が始まります。店員=アバターではあるのですが、声や表情は連動しているので、2.5次元な感じ。

アバター店員「遠藤さん」が今日受けるカウンセリングの流れを丁寧に説明してくれます。このとき、ディスプレイが非常に大きいので、流れの説明パネルが表示されても、とても分かりやすかったです。

まず最初に普段感じている「下着にまつわる悩み」を選んでいく

遠藤さんの指示に従いながら、画面に表示された「下着にまつわる悩み」を選択していきます。例えば、ブラのワイヤーがあたって痛い。サイズが合わないなど。このような設問をいくつかヒアリングされ、普段店頭では相談しにくい悩みを開示していきます。

設問パネルが表示されているので、自分の口で話さなくても番号で言えばいいし、言いにくければ言わなくてもいいという雰囲気もあるのが良いですね。(遠隔なのでその辺りのニュアンスは対面接客よりも軽減される)

続いて体の計測!「自分の体を3D計測して測っていく」

悩みのヒアリングが一通り終わると、次は奥にある計測ブースで計測します。計測用のブラをつけて、ブースの中で計測を行う流れ。3Dスキャンなので、全身のサイズが事細かにスキャンされていきます...!この時の手順も動画や音声がサポートしてくれるので、特に戸惑うことなくスムーズに計測ができました。現代の技術って、すごいなぁ〜。

そして計測されたデータと向き合う

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(※上記は公式の画像のため、私のデータではありません。)

3Dスキャンが終わると、接客ブースのタブレットで計測データを閲覧することができる仕組みになっています。着替え終わって接客ブースに戻ると、遠藤さんが声をかけてくれ、またすぐにカウンセリングが始まります。

この時、「お客様の計測データをみてもいいか?」の質問があります。これがとても「大事」だと感じました。人によっては「いくら遠隔でも体型を人様に晒すなんていやだ!」という場合もありますよね。もちろん、データをみながらの方が詳しいアドバイスを受けられますが、その選択は体験するユーザー自身に委ねてくれることはとても重要だなと。私は詳しいアドバイスを受けたかったので承諾しました。

手元にあるタブレットでの操作も遠藤さんが丁寧に教えてくれるので、迷うことなく操作できました。「最初にヒアリングした悩み」と「体のデータ」を元に、いちばん合うブラの形やサイズを提案してもらうことができます。

驚いたのが「3D計測したデータのブラサイズが、普段買っていたものと全く同じ」だったことです。スキャンの技術素晴らしい...!

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(伏字部分多いですが、体のサイズを事細かに記録したパーソナルシートをその場で印刷することができます)

「実際のデータ」がどれぐらい「下着の悩み」に紐づいているのか?を可視化することができ、かつ下着に詳しいプロの店員さんがその場で的確なアドバイスとレクチャーをしてくれるので、「なるほど、なるほど、なるほど〜」の嵐...。遠藤さん(アバター)自身がかなり商品知識に長けた人だったので、下着のパーツについての説明から悩みを解決するための選び方まで事細かに画面越しに教えてくれます。

目から鱗だったのが普段何気なくつけている下着もパーツごとに細かく設計されているということ。例えばカップから後ろにまわるベルト部分は「バッグベルト」と呼ぶらしいのですが、そのバッグベルト自体も「太い」「細い」「伸縮性あり/なし」などブラのデザインや機能性によって分かれていて、悩みや理想の形に合わせて選んでいくことがとても大切、ということをその場で学びました。

個室ブースにもワコールの下着がサンプルとして用意されていて、画面越しにいる遠藤さんから、下着の番号を共に、形や機能性について丁寧に教えていただきました。それと同時に自分に合う下着の形も知ることができ、最高に面白かったです!

ここでのユーザー体験として、

・接客する店員さんのオペレーションが慌しくないこと(完璧なこと)
・商品知識に長けていて、知らないことを教えてくれること

この2点が非常に刺さりました。1時間あっという間だったのは、スムーズな接客がすべてです。これがもし、接客側の対応にもたつきがあれば「遠隔なので逆に不安になる」というネガティブ要素が出てきてしまうので、流れるような接客はとても素晴らしいと感じました。

ちなみに接客が終わったあとに「下着の押し売り」をされるのではないか?と思われた方、そんな不安はご無用。このサービス自体がワコールの「下着に悩みを持つ女性のサポートをしたい」という思いから生まれているから、買う・買わないの選択は自由とのこと。実際に店舗で買える下着の種類は少ないので、欲しいサイズがない場合はオンラインで買わないといけないですし。ビジネス目線で考えた仮説ですが、この接客自体はデータマーケティングや商品開発に活用されるんじゃないかなと感じました。 ユーザーは悩みを相談し、自分に合う下着を見つけるきっかけになるし、ビジネスではその悩みを商品づくりに活かしていける...まさにWin-Winですよね。

まとめ

下着の相談がしにくい...というセンシティブな内容にどう切り込んでサービス提供するのか?を興味津々で体験してきましたが、とてもよかったです!

・パーソナルが保たれた空間でゆっくりじっくり相談ができる
・対面ではないので緊張しない
・商品知識に長けたプロによる具体的なアドバイス
・3D計測によるパーソナライズされたデータを得られる
・自分に合う下着をレコメンドしてもらえる

正直この体験ならお金を払ってもいいかもしれない、とさえ思うほど。

アバター接客というのはあくまで一つのソリューションでしかなく、その体験の真髄となる「ユーザーの悩みやニーズに寄り添う体験づくり・おもてなし」の設計が最高レベルに作りあげられていたので、素晴らしかったです。空間デザイン、Webサイトでの予約方法、当日のスタッフオペレーション、すべてが組み合わさって「体験のよしあし」に繋がっていくのだな〜と改めて感じる出来事でした。

私たちデジタル&フィジカルデザインチームでもこのような遠隔接客のサービスソリューションの導入や提案しようとしている段階です。ユーザー体験としての全体像を見極めつつ、サービス体験として心地よいのか?を常に問い続けていかなければと身が引き締まる思いでした。

アバターなどの遠隔接客を用いたサービス提案は、今後もさまざまな分野で加速していくのではないかと思います。特に今回のような「対面だと相談しにくい悩み」などには効きやすいはず。

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