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デジタル技術は顧客体験をより良くするのか?

カメラやセンサーなどのIoTデバイス、3Dプリンタや拡張現実などなど昨今の技術の発達により僕たちの生活はこれから大きく変わろうとしています。しかしながら技術だけで世の中は果たして変わるでしょうか?僕は少し懐疑的な意見を持っています。

なぜならそれら技術によってもたらされる変化が僕たちにとって心地よく満足のいく体験にならなければ、ほんとうの意味で世の中に浸透していかないと思うからです。

今、日本の流通・小売業界にもデジタルと融合したデバイスを店頭に設置し、新たな顧客体験を生み出そうという試みを開始した会社が複数出てきています。そのような革新的試みを開始したことにはとても大きな敬意を払いますが、一方でそのような新しい顧客サービスを実際に利用し体験してみると、少し残念な気分になるものも少なからずあるのが正直なところです。

例えば、無人レジのサービスはカゴに入れた商品を所定の場所に置くだけで瞬時にカゴ内の商品を判別して購入金額を画面に表示する優れた技術を備えておりますが(最初に利用したときにはすごいな!と思いました)、その直後の体験に少し残念な気分になってしまったことがありました。それは、購入した商品をお店支給の袋に自分で詰めていくのですが、最先端のレジ端末の裏側に味気のないデスクがあり、そこの上で商品を黙々と自分で紙袋に詰めないといかず、その時に少し寂しさというか侘しさを感じてしまった自分がいたのです。

だからと言って「やっぱり人間のスタッフがレジで接客してくれたほうが温もりがあっていい」といったような”元のほうがよかった論”を唱えたいわけではありません。企業側観点からも省力化は必要不可欠ですし、店舗の省人化への取り組みは避けて通れぬ大事なテーマだと思います。

デジタルとフィジカルが融合された
体験をデザインする

サービスを提供する企業側にとって重要なのはデジタル技術を使うにも、これまでと同等かむしろそれ以上の体験を形成することだと僕は思います。

逆説的に言うのであれば今までよりも良い体験を提供するためには必ずしもデジタル技術を使わないといけないということでもありません。デジタル技術を用いることで更にお客様の体験が向上するのが明らかであれば、その技術を用いればいいだけです。

日々発達するデジタル技術をどうやって一般の消費者にとって心地よい体験として適応させるかをデザインする。端的に言えばそれが僕たちがやっていこうとしている仕事です。

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