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狭くても大きな職場

チュチェ112(2023)年5月15日『わが民族同士』
http://uriminzokkiri.com/index.php?ptype=cgisas&mtype=view&no=1246312
日本語への翻訳は投稿者によるものです。

見出し画像=靴修理所(映画『人民はお前を知っているか』より)
https://www.youtube.com/watch?v=L4CiaZzZofU

朝日が街を照らし始める頃、私は職場へと向かった。
それぞれ、今日の偉勲を夢見ながら足取りを早める朝、私は彼らの靴に目を向ける。
靴底が減っていないか、かかとがしっかり付いているか・・・
ときどき、通勤途中に足踏みしながら足元を覗き込む人を見ると、あの靴は私が修理したものではないかという思いで、まるで大失敗でもした人かのように顔が赤くなる。
そうこうしているうちに、いつもの人が「修理工同志、おはようございます」と挨拶をしてきた時には、心が自然と暖かくなる。
彼らの中には、新たな街を築く建設者も、価値ある研究成果で国家経済の発展を助ける女性科学者もいる。
「これが生きがい、幸せってものよね」
独り言を口にしながら職場へと足を進めると、過去のことが走馬灯のように浮かんでくる。

小さかった頃、先端設備が集うところで宇宙を征服する衛星科学者、皆の賛嘆を受ける豪華な舞台の名歌手、国旗をなびかせるアスリートへの希望に比べると、私の職場がある靴修理所はあまりにも小さかった。
そのため、5年前に技能工学校を卒業し、靴修理所に配置された当時の私は、職業について聞かれても、靴の修理工だとなかなか言いづらかった。
そんなある日、私と一緒に仕事をしている長年の修理工から、こんな言葉を耳にした。
「ジョンマントンム、あんたが修理した靴でにこにこ歩いていく人たちを見てごらん。彼らの名前や職業は知らなくても、博士だって、労働革新者だっていることだろう。みんなの足取りが早まることで、祖国の前進もさらに早まるのと違うかね。だから私は、我々の仕事が、人々の足に偉勲の翼を授けるようなものだと考えているんだ」
彼の話を聞いて、修理台に積まれた靴が、前へ前へとかけてゆく時代と息づかいを合わせ、足早に歩みを進める人々によって履きつぶされていくのではないか、という考えが浮かんだ。そして、自らの職業をとるに足りないものだと思っていた自分のことを後悔し、職場への誇りが胸に湧き上がるようになった。
それでも当時は、靴修理工という職業がどれほど誇らしいものであるか、自覚していなかった。

共和国創建73年を迎え、敬愛する金正恩元帥が、党中央委員会本部庁舎で労働革新者、功労者たちとともに記念写真を撮影し、私のように平凡で素朴な靴修理工の手を握ったという話を聞いたとき、私は涙を抑えることができなかった。
靴修理工の手が何だというのか。荒れた手を元帥が自ら握ってくれただなんて・・・
そんな栄光の瞬間に金正恩元帥は、作業でたこができた炭鉱労働者の手も、日に焼けた農場員の手も握った。
嬉しいときも、つらいときも、ひたすら祖国と人民、社会と集団のために、献身的に誠実に働く人々を、元帥はこのように高く評価してくれたのだ。
私の職場は狭くとも、元帥が知っている職場だ!
それから私は、自らの仕事に心血を注いだ。靴修理所で新品のように修理した靴を手に喜ぶ人々の姿から、「私たちの靴修理工同志」という愛称から、私は生きがいと誇りを見つけ出す。
そうだ。私の職場は、狭くても大きな職場なのだ。
私は誇りとやりがいを胸に、党大会の決定を貫徹するために立ち上がった人々の足に、奇跡と革新の翼を授ける思いで、今日も職場へと向かっている。
(平壌市 万景台区域便宜サービス事業所 パルコル靴修理所 労働者 チェ・ジョンマン)


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