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建売も、注文住宅も、立地が大事(開発地編)

これから建売や土地を買うというときには、ある程度の規模の開発地で、しかも開発後にある程度期間の過ぎているところをおすすめします。
この記事では、なんで開発地がいいのか、なんで開発後に時間が経っているほうがいいのかを説明します。


開発地とは

開発分譲地とも言います。とても大きなニュータウン的なところから、畑一枚を宅地化したような小規模なものまであります。新たに住むための土地を買うとか建売を買うという場合には、開発地以外というのはほとんどありません(会社や店舗、倉庫や駐車場用など事業用はまた別の話になります)。
開発地は、開発行為といって国に計画を提出してインフラやら防災やらいろんな面からお墨付きをもらった、住むのに適した場所です。ですからどの開発地でも同じように住みやすいような気がしますが、果たしてどうでしょうか。

開発地は廃れることがある

URBANSPRAWL -限界ニュータウン探訪記- というウェブサイトがあります。タイトルにあるように、ニュータウン的な分譲地で廃墟になったりそれに近くなっているようなところを取材しています。
どれも古い開発分譲地なので、いまからこのようなところに土地を求めるというケースは稀かと思いますが、いま開発中の分譲地が数十年でこのようになるという可能性は無くはない、ということも考えたほうがいいでしょう。

線路も無くなることがある

愛知県の桃花台ニュータウンには、ピーチライナーという新設の路線が小牧駅まで運行し、大規模なニュータウンを形成するはずでした。当然、それありきで住宅を購入された方も多かったでしょう。ところが、わずか15年で廃線になりました。小牧駅までの利便性に魅力を感じて桃花台に住宅を求めた人は、はしごを外された格好です。実際にはバスもあり、即、陸の孤島になるというわけではないのですが、近隣都市からニュータウンまでの(ほぼ専用の)鉄道が廃止になったというニュータウンはいくつもあり、鉄道へのアクセスが重要である場合には、JR等の大手鉄道会社、路線長の長い沿線が安全だと思います。

開発地でないところでは

駅に近い商業地区の中に一軒分だけ売られている空き地、

廃れるリスクが低い開発地は

土地を求める、家を買うとそこから移動するのはなかなかハードルが高くなりますから、場所選びが最も大事です。
基本的に土地というのは、非常に妥当性の高い価格に設定されています。ふたつと同じ土地が無いわけですから、そのひとつひとつについて、あらゆる角度から価値を測定して値付けします。売り出しているときにその土地が本来の価値より安ければすぐ売れますし、高ければ売れ残ります。開発地ではそれがてきめんで、角地は高くても先に売れて旗竿地は安くても売れ残ったりするケースがあります。逆に北向きの土地の値付けを低くしたらよく売れて南向きを高値で設定したら売れ残る、などということもあり、土地の値付けをする人(売主)は、どれも同じように売れるように、そして妥当性のある限り最も高く売りたい、と思うのです。
ですから、土地に掘り出し物というのはほとんどありません。たまにありますけど、それを狙い続けていたらいつになるかわかりませんので、妥当な値段で買うしかないのです。
開発からある程度(少なくとも20年程度、できれば世代交代も経ているところ)経過していて、第一期入居者がどのような行動を取っているかわかるところでは、土地の価格がある程度妥当性をもってつけられています。
廃れていく予感があれば値付けは弱くなり、栄えていく雰囲気であれば人気ですから当然高値になります。逆説的ですが、エリアが決まったら、そのエリアで最も相場の高い開発地にするのが最も良い選択になります。
当然、生活スタイル(車の所有台数や通学通勤先までのアクセス、趣味などに左右される要素など)もありますので、一概に一番高いところを買うほうが絶対に良いというわけではないのですが、候補地がいくつかある場合には高いほうを選ぶと長い目で見て廃墟になる(廃墟まで行かずとも現在より利便性が下がる)リスクが減ります。

そうは言っても予算があるし・・・

という場合、相場の高い開発地の中で、できるだけ条件の悪い土地を買うのがいいでしょう。旗竿地は安い、北向きは安い、狭ければ当然安い、変形地は安いなどです。
その土地がある街の中の場所を立地、その土地がある開発地の中の区画を条件とすれば、立地が悪くて条件が良い土地と、逆に立地が良くて条件の悪い土地がもし同じ値段ならば、将来的に満足度の高い生活ができる可能性は、後者のほう高いでしょう。

まとめ

この街に住みたいな、と思ったらその街の中でどの開発地に住むかを考えてください。予算との兼ね合いですが、基本的に相場の高い開発地のほうが利便性や将来性が良いです。
50年住むとして、土地の価格が坪あたり10万円違って50坪で500万円違ったとして、月にすれば1万円も違わないんです。坪10万円の差はそんなものです。
条件の悪い区画でも住みよい家は建てられますが、立地が悪いと不便を抱えながら、また将来に不安がありながら住むことになります。相場の高いところはそれなりにちゃんと理由があるんです。値付けをしているのはプロですから、掘り出しものはめったにありません。長く住むなら、良い立地を選ぶようにすると後悔が少ないです。


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