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【24】【日本酒入門】純米大吟醸酒はなぜ高級なのか【精米歩合】

こんばんは。私にはひとつ武勇伝がありまして、コロナによる国から10万円の給付金を全て酒と飲食店のテイクアウトに使ったことです。
使い果たした1ヶ月後に離婚が決まったので、ちょっとだけ後悔しましたが、まあネタになったのでいいこととします。

刑部さんの寝床


さて、今回は精米歩合についてお話します。
お酒を選ぶ時の一番の決め手となるのは、もしかすると”精米歩合”かもしれません。


純米酒、純米吟醸、純米大吟醸、特別純米、本醸造、普通酒・・・何故こんなに日本酒は複雑なのか

日本酒の魅力といえば、バライティーに富んでいる点だと思います。逆に言えば、種類がたくさんありすぎて、わかりにくいのが日本酒。
大吟は高くていい酒ってことくらいしかわからない。
日本酒の認識ってきっとそんなものだと思います。

では、なぜこんなにたくさん種類があるのか。
答えは技術の進歩と国税局の計らいです。

日本酒は長い歴史がありますが、近代化が進んだのは明治時代にまで遡ります。当時、酒税は国家の最大の収入源でした。しかし、酒造りのメカニズムがよくわかっていなかったため、経験と勘に任せきりな部分があり、腐造に悩まされていたそうです。
腐造によって、税収が減ってしまうのは国によっては大問題です!

国は国家プロジェクトとして大蔵省醸造研究所を設立しました。
これにより、日本酒のクオリティーは一気に上がり、さまざまなタイプの日本酒を楽しめるようになりました。

しかし日本酒の種類が豊かになる一方で、ラベルに表示のルールがなかったため「わかりにくい!」という声が高まっていきました。
そこで国税庁は、どのようなお酒かラベルを見て一目でわかるように原料や精米歩合、製造法で分類した『特定名称酒』を1992年に定めました。

※上記以外にも様々な細かな要件があります

特定名称酒以外のお酒は「普通酒」といい、日本酒市場の65%を占めます。
国税庁『酒レポート 令和4年3月』より

精米歩合とは?

日本酒のラベルに記載されている精米歩合(せいまいぶあい)。
これはお米を精米(磨いた)した割合です。
精米していない玄米は、精米歩合が100%で、食米は90%ほどと言われます。高級なイメージの大吟醸クラスは精米歩合が50%以上精米されたものを指します。

この割合は、精米する前(玄米)と磨いて残った白米の重量から計算します。
たとえば、1000kgの玄米を精米して600kgになったら、精米歩合は60%になったということです。ちなみに削られた残りの40%を糠といいます。




精米すればするほど手間暇がかかる

たくさん精米するには、それなりの技術と手間が必要となります。お米が半分に割れて50%になった、これでは意味がないのです。摩擦熱などによって米が砕けないように、ゆっくりと時間をかけて精米しなければなりません。精米歩合によっては数日かかる場合もあります。

そもそも、なぜ精米する必要があるのでしょうか?


お米は、図のように外側には、たんぱく質や脂質などの豊富な栄養があり、内側にはでんぷんを多くんでいます。

玄米は栄養価が高くて体にいいと言われますよね。しかし、酒造りにおいて栄養は旨み成分となりますが、多すぎると味が多くなり、くどく感じる場合があります。つまり精米歩合が低くなると(=外側部分が少ないと)雑味の少ない味わいのお酒になるのです。


最後に


これは、あくまでも個人的な見解ですが日本酒を勉強するときに個人が書いている本を読んだり、日本酒の検定・資格を取るよりも国税局や酒類総合研究所など公的な組織から先に学んだ方が近道のような気がします。
どうしても情報や思想に偏りが出てくるので・・・
そういった意味でも、私のこの記事も参考程度に読んでいただけるとありがたいです。


ありがとうございました!


参考文献


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