短編小説『ちゃんちゃらちゃん ぴっぴっぴっ』
「200万文字の小説て。長過ぎやろ」
僕は少し笑いながら言った。
番田は「そんな書いてたら、どんだけの時間かかんねん」と言った。
「ほんまな」と僕は答えた。
夕方、17時51分。
僕たちは、ある場所からの帰り道を一緒に歩いていた。
まだ、膝は痛い。だけれど、心は異常なまでに燃え盛っていた。
「お前といると、あの日のことを思い出すねんけど」と僕は番田に言った。
番田は、きょとんとした顔をしていた。
「分からへんか。てか、お前、変な顔やなぁ」と僕は、番田に向かって言った。
「うるせぇ」と番田は、少しムッとした顔で僕に、言った。
こいつは覚えていないのか。あの日のことを。
僕は少しガッカリしたけれど、そんなものかとも、思った。
気付いたら、空は暗くなっていて、お互いの顔も徐々に、見えにくくなっていた。
もうすぐ、番田の家に着く。僕の家は、もう少しだけ遠い。
僕は、ふと、自分の足元を見て「このスニーカーも古くなったなぁ」と言った。
「お前、いつ買ったんや。それ」と番田は僕の、スニーカーを右手の人差し指で指さしながら、言った。
「もう、忘れたわ。だいぶ前」と僕は右の眉毛を搔きながら、言った。
「お前も、色々忘れとるやないかい」と番田は、僕の目を見て、そう言った。
もうすぐ番田の家に着く。
なんだか今日は、とんでもなく変な夢を見そう。なんとなく、そう思った。
(続きがちょっぴり気になるという方はイイねでも押しといてくれや)
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