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#パルプなフィクション
(没)BURN IT DOWN
『我が子威吹よ、汝を指したる凡ての預言に循ひて、我この命令を汝に委ぬ。これ汝がその預言により、信仰と善き良心とを保ちて、善き戰鬪を戰はん爲なり』
そう水瀧楓は紅威吹の耳殻に呪いを吹きかけた。
「ほらはやく」
楓は傍らに立つ威吹の手首を掴み、その指先をビルの一つに合わせる。
閃光がはためく。毒々しい赤紫色の花を開く大火球が眼窠の中で燃えた。生きとし生けるものを焼き払う劫火の嵐。眼前の超高層ビル
(没)DArkSide
パンドラによって遍く厄災が解き放たれた匣には、希望だけが遺った。
では拭えぬ闇に囚われたこの世界に遺ったものとは。
無明の闇に閉ざされ翳や陰が跳梁する末法の世にあって光を放つものに近づいてはならぬ。逢魔はそう教えられてきた。
それは人魂を薪に焚べた輝きであり、捕まれば最後、虚にされた肉体に闇を吹き込まれた幽鬼となって人を狩る末路を辿るからだ。
だが眼前のこれは違った。
何ともつかぬ奇