Doumura
紅花油を熱してカルダモンとクローブとシナモンにベイリーフを炒める。カルダモンがぷくっとする。誰かの怒った顔に似ているのがおもろいです。刻んだニンニクとショウガで香りを出したらトマトを加える。バターと砕いたカシューナッツ、ミルク、鶏も加えて煮る。部屋中が黄色の匂いに包まれてよだれが出ます。生クリームを加えて少し煮たら完成。パクチーも入れてかなり美味しいですがでも本当はいつだってインドへ直接行って食べたい。 必要があってzoomでミーティングをした。バーチャル背景を使って宇
初めまして。 僕はふだんは医学部に通っています。最近は気の向くままにスープを作っている。またどうせ気が変わって別の料理を作るようになる事と思います。 毎日作っている中で僕はミキサーを使ってどろどろにするタイプのスープが好きだなと思います。いろいろな食材を炒めたり茹でたりしたものをミキサーにかけるとそれが一つの色になる。均一なようで目を凝らしてみると均一でない。緑の食材と白っぽい食材を混ぜて出来上がる色が一番好きです。きっとこれは一生変わらないような気がする。そしてまだ
贔屓にしているパン屋さんはありますか。 歩いて5分、もしくは10分。大切なのは近いことあるいは製パンの技術が高いことやお店の人の感じがいいこと、その人によって基準は何でもいいです。雨でも通える片思いのパン屋です。 パン屋ではお気に入りのデニッシュを1斤と目に止まった惣菜パンを選んで帰ります。焼き立ての食パンにちょうど出くわせばそれは運命の恋なので買います。きっとそこで5枚に切ってもらうといいのですが焼き立てはまだ包丁を入れる事ができないので抱きしめて帰る。買ったパンは
まずは友人や職場の人、老人会で会うファンキーなマイメン(おじいちゃんおばあちゃん達)に調査して良いうなぎ屋を知ります。 土曜、よく晴れた気持ちの明るい午前11時半に向かって、普段持ち合わせている会社の大事な会議へ行くような真面目な気持ちを全部放り投げて家を出ます。良いうなぎ屋の扉は重くガラガラと開きますのでえいと腰を入れて動かす。ラミネートの剥がれかけたメニューを手に取る頃にはもう香ばしいうなぎの匂いで脳がやられている。 もちろん並より上、特上はたまのご褒美にと
ああどうして今日もチンゲン菜を蒸しているのだろう。 陳建一の蒸し鍋に水を入れ火にかけます。昨日も顔を合わせた屈託のない笑顔の陳建一がこちらを見つめながら火にかけられている。チンゲン菜を軽く洗えばお湯が沸くまでの間にソースを作ります。南瓜を丸ごとそのまま入れたらハマって抜けなくなるだろうなくらいの雪平鍋を取り出して、醤油や酒をトクトクいれて煮るだけです。最後は片栗粉でまとめてピータンの卵白の感じを目指してとろみを付ければお皿の上でチンゲン菜をサッと茹でたものにソースを
スーパーに行ったら目についた緑色の葉っぱを買います。緑でなくても構いません。そして気になったフルーツを一つ選びます。キウイを選ぶ日もあればイチゴやグレープフルーツにりんごでも構いません。これを全部混ぜてもしゃもしゃ食べます。 サラダを丸いお皿に盛るとどちらが上でどちらが下なのか全く分からない。ただそこに緑の葉っぱが集まって混じってつやつやに光っている。たい焼きは頭から食べるのが好きですがサラダはどうでしょうか。上と下はあるのでしょうか。ぼくはよく、そんなことで悩んで
第114回医師国家試験が終わり今年の受験生たちの声や各種予備校の総評とか見たいような見たくないような情報がたくさん流れてくる。こういう時はどうも困ってしまう。とにかく現実を見るのはなるべく避けたい気持ちがある。昔からぼくは目の前の問題から目を背けたいタイプなのだ。宿題はもちろん前日に泣きながらやる。小学校高学年にもなれば間に合わないことに大してまぁまぁと両親を落ち着かせながらココアを飲んだりできるようにもなっていたくらいだ。翌朝、職員室へと呼び出されたぼくが担任の先生に、コ
この頃あらゆることが上手く行っていない気がする。口内炎が立て続けにできて痛かったりあまりにも寒くてつけようとしたストーブの灯油が空だったり予防接種をした場所に血腫ができて腫れてしまったりする。こんな時は何かいいことないかなと思いながらその辺をふらふら歩くといい。寅さんみたいに肩で風を切りながら街を歩く。 昨日の夜は炒飯とAjinomotoの餃子とブロッコリーときのこをオリーブオイルで炒めた物を食べた。もう何もしたくないとダメになってしまっている時に料理を始めると一転して
お気に入りのカレー屋さんが機内誌に載っていた。チェンマイにルーツを持つゲーンハレーンカレーは甘辛くて異国の料理ではあるけれど日本人にはどこか慣れ親しんだ感覚がある。こうして美味しい食べ物がたくさんの人に広まるのは良い。そして世の中の美味しいものの情報が全部ぼくの所に集まって欲しい。 ページをぱらぱらとめくっていればなんとなく目に留まる写真がある。それが広い海であったりジャングルであったりビルだったりする。見たことがあるものでも初めてのものでも心を動かす何かにはきっと意味が
朝8:30にオペ室へ向かう。外科実習で手術を見学するためだ。セイケツとかテアライとかメッチェンとかバイクリルとか１年前には全く理解することができなかった言葉達もようやく意味を伴った単語として噛み砕けるようになってきた。(メッチェンは響きがかわいいと思うので好きだ。) 手術室と言うのはいつ入っても異質で独特でオリジナルな空間だ。ここに属している人間なんて誰もいなくて、そこにはただ手術室があって人間が利用させていただいているという感覚。人智を超えた何かがあるような誰にも理解
「時間は何よりの資産だよ。大事に使いなさい。」 大学二年生の頃、よく行っていた飲み屋のカウンターにいた、くしゃくしゃ頭のおじさんに言われたことがある。 どこの誰かも知らずアルコールが回っていたのもあって、どうということもなく耳を通り過ぎていったはずの言葉が、後になってみると脳みそに居座り続けている事に気がつく。 時間を大事にする。なんとなく普遍的真理っぽくて、分かってはいるつもりだけど、それでもどうしたって僕たちは週末をNetflixで過ごしてしまう。そんな僕らはきっと
昔から休憩時間が苦手だ。さらにその時間が長ければ長いほど。たった5分でも嫌だが20分よりはずっとましだ。誰からも連絡のないことが分かりきっているスマホを取り出して時代の最先端を走っているふりをしながらSNSをチェックしていく。また芸能人が1人不倫現場を撮られて大変らしい。どんまい。 小学校の頃、休み時間といえば友達と外でドッチボールをしたりサッカーをしたり、教室で掃除道具野球をやったりした。授業の間の10分休みは当時はまっていた遊戯王やデュエルマスターズ、コロコロコミッ
「診察室は内科医にとって聖域である」 確か、どこかで聞いたことがある。外科医にとって手術室が聖域であるならばということなのだろうか。誰がどこで言った言葉なのか、思い出せそうもない。 今日も実習をしている。名札を下げて、白衣に袖を通して、病棟や手術室までの道をそろそろと歩いている。僕はいま、その聖域に座り、入ることを許された事に感謝しながらどうか神の逆鱗に触れることのないように…と仰々しくお祈りをしながら診察の見学をしている。 外来には、本当にたくさんの患者さんがやって
