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【MTG】ドラフトにおける強い除去、弱い除去って?【ドラフト】


皆様、ドラフトでは『除去は強い』これはよく聞いたことがあると思います
これはおおむねの場合において真実です。

しかし、除去が強いなら[カラス変化]は常にとるべきでしょうか?
[トロールの挑発]はピックすべきでしょうか?
夜明けの[5マナ4点火力]はピックすべきでしょうか?

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答えはNOです


ですが『除去が強い』その言葉だけが蔓延して、間違ってピックする人が多いです。
さらに、クリーチャーと違って 除去は『使用感は悪くない』と勘違いしやすく自分だけでは矯正することも難しいです。

この記事では、そんな矯正の難しい除去の質の判断を

除去の強さ、弱さ 性質を学ぶことで
「どんな除去が強いのか」「どんな除去が弱いのか」を判断できるようになりましょう。


〇どんな除去でも強いと勘違いしやすい理由


まず、どんな除去でも強いと勘違いしやすい理由ですが

除去は基本「負けないカード」です
相手の脅威をはじくことはできますが
『全部除去』のデッキは、相手のライブラリーアウト以外では勝ち目がありません
自分の「勝利」よりも 「敗北」を避けやすいカードです

ここまで言えば分かるかもしれませんが
初心者はライフ回復が好きだったりします、理由は『負けなくなるから』
ゲームをしている”フリ”が出来れば満足なことが多いのです

そして、その除去が良くても”フリ”をした後
自分から勝ちにいけずに、ずるずると最終的には相手に「どうしようもないレア」を引かれたり
「土地ばかり引いて」負ける そんな経験、多くないでしょうか?

この場合、直接その弱い除去が原因になったとは考えれなくなり
『土地ばかり引いて運が悪いから負けた』
『あんな強いレアだされたらどうしようもない、運が悪いから負けた』
という思考に至ってしまうのです。

すると次は「レアを除去するためにもっと除去をピックしなきゃ!」となる可能性もあります

除去は敗北の直接原因には見えにくいのと
「除去さえあれば、負けなかったのに……」という経験の多さから
『除去を引いたから負けた』とは思いにくいのですね

結果、港の通説通り 除去が強いという考えに縛られ
常に除去をピックするようになります

〇除去の性質

では、除去とはどんな性質なのでしょう?
主に次の仕事があります

・相手のレアとのトレード券
・シナジーを崩す
・システム生物の除去
・試合を長引かせてぐだらせるカード
・アグロが攻めるために使うカード

それぞれ見ていきましょう


・相手のレアとのトレード券
除去は主にコモンやアンコモンになります
「コモン1枚」で「相手の超強い神話レア (悪斬の天使など)」
とトレードできるのが除去です

逆に言えば「除去されないと勝てるカード」と「除去」なら
自分が出す側に回ったほうが強いので、強いカードをピックしてから
何もない手番で除去を取って 相手の勝てるカードをつぶす
という考え方が出来ます

・シナジーを崩す
テーロスなどでは特にわかりやすいのですが
『2枚そろった時に強いカード』というものがあります
除去は1:1しかできないのですが


544黒吸血鬼 111魂癒し人 の544さ絵潰せば
111癒し人もほぼアンプレなカードになります
つまり、事実上1:2交換ができるのです

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わかりやすいとこではエンチャ+クリーチャー
なども除去すれば1:2交換ですね


・システム生物の除去
大体のことは、自分がマナレシオがでかいカードさえ出してマウントとれば
どうにかはなるのですが
『ブロックに参加はしてくれない、やばい効果を持ったカード』があります
例えばこちらが2マナ33 3マナ44と化け物を連打したとしても
凄腕の暗殺者 こいつを置かれただけで半分詰みます

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リミテで有名なとこだと 最近だと灯争大戦の112など『タッパー』と呼ばれる生物ですね
こういった生物はタフネスは抑えめの1~2、多くても3であることが多いので
ショック1枚で 普通じゃ倒せない生物と1:1交換に持ち込めます

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・試合を長引かせてぐだらせるカード
除去は前述したとおり
除去23枚と土地17枚では勝てないが デッキ切れまけを狙えるくらい 防御力は高い
そんな状況を作れます

青のドロソ+黒の除去+呪禁のフィニッシャー などは、スタンなどの構築っぽいですが
似たような構築はリミテでも可能です
実際、LO勝ちだけを目指して除去をぐるぐるするコントロールなどは
ディミーアでは可能でした

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ドロー+除去+ライブラリー修復

除去があるデッキは、試合展開を遅らせれるので
5,6マナのフィニッシャーにつなげて勝つイメージはありでしょう

・アグロが攻めるために使うカード
ですが、アグロで攻めのカードにも使うことが出来ます
『除去したターン』にどれだけクロック(場に打点のある生物)が高いかによって
除去したターンのバリューが決まっていきます

1回は『序盤に相手に1~3マナを置かれて 4T目以降は除去を3連打されて 毎ターン7点くらい殴られてなすすべなく負けた』
そんな経験はないでしょうか?
ここが除去の強い理由です。

除去は「重いデッキのぐだらせ」にも「殴るデッキの後押し」にも使えるわけですね
この汎用性が、除去のドラフトで強い理由となります。

ただし、重いデッキであれば『壁やタフネスが高いカード』が除去の代わりになりますし
殴るデッキであれば『バットリ(巨大化などパワータフネスを上げるカード)』が除去の代用品になってくれます

除去の性質は分かったところで
取るべき強い除去と 取ってはいけない弱い除去を見ていきましょう

〇強い除去の条件


強い除去は簡単です
『対応範囲』+『マナの軽さ』+『インスタントかソーサリーか』この2つで決まります これは構築でも全く同じです

・対応範囲
同じ3マナで
「クリーチャーを破壊する」「クリーチャーかPWを破壊する」「パーマネントを破壊する」
ならどれが良いでしょう?答えは簡単ですね どんどん強くなっていってます

例のカード:殺害 英雄の破滅 名誉回復

構築でも出来る限り対応範囲が広いカードが使われますね。

カルドハイムで見ると『折れた翼』がメインでも2枚くらい許される理由です


カルドハイム環境は英雄譚(エンチャント)飛行生物(白に多め、青が次点)装備品(アーティファクト)
が多いため 対応範囲の広さもあって腐ることは少ないです。

M21でショックよりりゅうびのほうが強い理由にもなりますね
構築の場合はショックでも対応範囲は広いですが
リミテではマナレシオが良いただのバニラが並びやすいことから
「タフネス2」か「タフネス3」は大きな違いになります

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〇マナの軽さ
マナの軽さは正義です
基本的に「使ったマナコストより高いカードを除去したか?」除去の価値は決まります。


5マナもかけて、2マナのカードを除去したら、普通は損ですよね?
逆に、1マナで5マナのカードを除去できたら得ですよね

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1マナでなんでも倒せたら強い

この『どれだけマナの差があるカードを除去できたか』は重要で
構築では、対応範囲こそ狭すぎますが『巻き添え(飛行布告)』などは
たった1マナで、確実にドラゴンや 夢さらいを倒せる爆アドカードとして使われていました。

カルドハイムでは
『3マナ4点火力』は5マナくらいまでは燃やせるのでアドですが
『トロール火力』は除去としてみればむしろ3マナくらいまでしか燃やせず ダウントレードになってしまうので、弱いとわかります

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「マナ分のアドが取れたかどうか」なので
一応ここには『ソリンの渇き』などでは同じ2マナのカードを倒した場合は『得』と考えていいです(0・5マナ分くらい)
お互い2マナ使って こっちだけ2点回復してたら、0.5マナ分くらい得だよね?ということです

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相手の22を同じマナで倒して 2点回復したら得


〇インスタントかソーサリーか
当たり前ですがインスタントのほうが強いです
ですが、その理由はどこにあるか、もう一度確認しましょう


・インスタント除去の利点
1位 相手のコンバットに合わせることが出来る(巨大化する瞬間にショック など
2位 テンポを損ないにくい
3位 ほかの選択肢と絡めて柔軟に動ける

1位 コンバットに合わせる
天と地の差になります
コンバットに合わせて除去して爆アド 勝ち~~というのは
特に低ランク帯になればなるほど多くなるので重要なポイントになります
(ミシックランカーあたりになると、ケアしてくるのですが
 ”ケアさせれる”だけでも十分強みです ソーサリーじゃそれすら出来ないので)

2位 テンポを損ないにくい
ここは、意外と気づかない人もいるかもしれないですが
ソーサリーと変わる点で

手札にりゅうび 手札に3マナのカード
この時に 2ターン目動けないのでパスします

相手は3マナ33を出してきました
もちろんりゅうびを打ちます

自分のターン33を着地できます

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トリュフかぎを即除去して 自分のトリュフを着地できる

しかしこれがソーサリーだったら?
相手が出してきたのには合わせれないので
自分のターンは『除去を打つか 生物を展開するか』の2択になってしまいます
生物を出せば格闘されるかもしれない
除去を打てば 33が1ターン遅れてるので普通に損……というわけですね

3位 ほかの選択肢
自分の場に 4マナ起動の熊と 4マナの除去があります
相手は除去するかどうか微妙なラインの生物です

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この場合ソーサリーならもうあいつを除去するかどうか決めなきゃいけないですが


この場合構えて 相手が殴ってコンバット使ってきたら除去
逆に殴ってこなかったら、エンドは普通に熊の効果起動するだけ
みたいなことが出来ます

インスタント除去と、ほかのインスタントで動けるカードは相性がいいので
特にラヴニカのシミックなどは そういうデザインでしたね

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やばいカードは打消し 通していいなら順応



〇弱い除去の条件


では、以上の条件から
実際のカードを見て 強いか弱いか判断してみましょう

条件
1・対応範囲
2・マナコストが上のカードが倒せるか
3・インスタントかソーサリーか

点数基準
× 0点
△ 1点
〇 2点
◎ 3点

2点 雑魚
3点 あまりデッキに入れたくないカード
4点 デッキに入れても良い除去
5点 優秀な除去
6点 強い除去 優先して取っていい
7点 迷ったら取っておいて問題がないカード

[ゼンディカーの夜明け]

2マナ4点火力

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1対応範囲 〇 夜明けなら特に4~5マナまでトレード可能
2マナコスト ◎ 2~3マナ上のカードまで倒せる
3タイミング △ ソーサリーなので インスタントより動きづらい
6点ですね 強いカードです
マナコストのトレード力が高いのでおまけで+1点してもいいくらい


3マナ2点火力

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1対応範囲  〇 2点とファクト破壊は、対応範囲こそ広そうですが 生物を倒しにくいです
2マナコスト × 3マナ使って3マナを倒せないことがあります
3タイミング 〇 

4点 使っても良いけど強くはない除去 となります



5マナPT除去

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1 対応範囲 ◎ 確定除去は最強
2 マナコスト 〇 3マナくらいで打てるデッキにすれば 5~6マナともトレード可能
3 タイミング 〇 普通にインスタント
7点です かなり強いことが分かります


実際は2マナ4点火力のほうが5マナPT除去より高めに見るのですが、大雑把に強いかどうかは見れますね。

[カルドハイム]

沈下

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1 対応範囲  〇 -3はそこそこは倒せます
2 マナコスト △ 「1マナ」は聞こえがいいのですが 墓地に生物がいないと打てないのでテンポはとりにくいです
3 タイミング × ソーサリーだけじゃなく、墓地の条件から除去したい時に、除去できないです
3点  デッキにあんまり入れたくないタイプだとわかります せめてインスタントなら……という感じ



リトヤラの霧

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1 対応範囲  × 除去としてはカウントしにくい『パワーがウリのバニラ生物』の邪魔くらい
2 マナコスト △ そもそも2マナ使って1:1交換すらしてないので、2マナ分の働きか不明
3 タイミング 〇 ちゃんとインスタント なのでそこだけが救い
3点 ほとんどのカードに対応しきれてないのが弱さとなりました


圧死

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1 対応範囲 〇 6点はほぼ確定除去といっても良いです リンドワームを倒せます
2 マナコスト △~◎ 2マナなら最強 5マナなら、4マナあたりと交換になり損しそうです
3 タイミング △~◎ 巨人がいないと打ちにくいというのは弱みですが 巨人さえいれば逆に2マナインスタントという扱いやすさが光ります 
4点~8点
巨人の多さでとにかく決まりますが 最低値で見ても先ほどの2つの除去よりは強いということが分かります


・おわりに


いかがでしたでしょうか?


もちろん『環境』『自分のデッキ』で左右されるものではありますが
弱い除去をありがたがって使う」「強い除去なのに気づいていない
そんなケースは 今までの考えをいかせば 大幅に減ることだと思います

ここまで読んでいただきありがとうございました!
これから、ほかにもドラフトのに関する強くなるための記事を書いていきたいと思いますので
もし良ければハートをつけていただけると、とってもモチベになります!


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