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妊娠中の悪阻 本当の原因は? 

妊娠中、特に妊娠初期に悪阻が大変な方、多いと思います。

楽しいマタニティーライフも、悪阻が酷いと楽しめなくなりますよね。

悪阻の原因は色々と要素があります。
その要素が一番悪化するののが妊娠初期ですが、妊娠中期までにそれらが解決されない場合、中期も後期もずっと悪阻がひどい、というケースになることもあります。

色々ある要素で一番影響力が大きいのは、「酸欠」です。
つまり体内の酸素が足りていない。

血液に含まれる赤血球は酸素を体中の細胞に運ぶという需要な役割があります。妊娠中は血液全体の量が増加しますが、赤血球の生産が、血液の増加についていけないことが多いです。だから、血液の量に対して、赤血球の数が極端に足りなくなるのです。
赤血球の生産スピードは、妊娠前からコツコツと肝臓に貯蔵していた鉄分(フェリチン)が決め手です。
これが少ないと、妊娠してからかなり困ることになります。
一度妊娠すると、貯蔵する余裕なんてないです。食事やサプリから補おうとしても遅過ぎるんです。
だから、妊娠前から(最低でも3か月前からは)コツコツとフェリチンを体内(肝臓)に溜めておくことが重要ポイントです。

そもそも、このフェリチン(貯蔵鉄)が十分に肝臓に溜まっていない場合、妊娠しにくくなったり、流産しやすくなります。(自然の法則)
ある程度溜まったら、妊娠する確率は上がりますが、それでもギリギリの場合は、特に妊娠初期に悪阻で悩まされることになります。
かなり低い状態でも、奇跡的に妊娠した場合、初期だけでなく、中期も後期も酷い悪阻で悩まされることになるでしょう。

繰り返しますが、フェリチンの貯蔵は、妊娠してからでは遅いんです。
一度妊娠したら、すごいスピードで細胞分裂が行われ、赤ちゃんはお母さんの血液からどんどん酸素を盗んでいきます。
「赤ちゃんは母体内に住む寄生虫のようなもの」と言った人がいますが、本当にすごいスピードで酸素も必要な栄養素もお母さんから奪い取ってしまいます。(そうでないと生き延びれない。)

妊娠前にこの鉄分という重要栄養素(特に動物性鉄分であるヘム鉄)を意識するのが重要ですが、ただ単に鉄のサプリを飲めばいいってもんではないです。
むしろ、一般の鉄サプリはメリットよりもデメリットのほうが多いので、妊娠前も妊娠中もお勧めしません。(鉄サプリのせいで悪阻がかえってひどくなることも多いですよ。)
サプリよりは、レバーや赤肉等、動物性の鉄分(ヘム鉄)が一番吸収が良く、その他の悪阻予防に必要な栄養素も豊富なので、お勧めです。

十分なフェリチンが貯蔵されている状態で妊娠した場合、赤血球が不足せずに、酸素がしっかりと細胞へ運ばれます。悪阻にもなりにくいです。

ただし、下記のものも不足していると、せっかく赤血球が沢山あったとしても、その働きが妨げられてしまいます。

マグネシウム
カルシウム
ビタミンD
ビタミンB6
ビタミンB12
そして、
コレステロール
です。

マグネシウム

妊娠していない方でも不足している方がほとんどですが、妊娠中には更に不足しやすいミネラルです。
現代の土壌にはマグネシウムがほとんど含まれていません。だから、別に妊娠していなくても、不足している人がほとんどです。(海に毎日入っている人は十分に足りていると思いますが。)
また、マグネシウムは妊娠していない場合、体内への吸収は比較的容易なのですが、一度妊娠したら、ホルモンの変化でそうはいかなくなります。
マグネシウム不足は足がつりやすくなりますので、妊娠中で足がよくつる方は、かなり不足していると思って下さい。
マグネシウムは食事からは十分な量は摂りにくいので、サプリがお勧めです。マグネシウムサプリの種類に関しては過去のこちらの記事で説明しています。

カルシウム

マグネシウムとカルシウムは同時に沢山摂る必要があります。
マグネシウムとカルシウムはお互いに協力しし合って、初めて機能するのです。

カルシウムは、動物性のものか一番吸収しやすいです。(特に、消化機能が低下しがちな妊婦さんにとっては!)

煮干しはもちろん、海老の殻や、ひじき等の海草もいいですね。

また、吸収の良さで言えば、ボーンブロス(骨肉のだし汁)がお勧めです。
魚の骨でもいいですし、動物の骨でもいいです。

尚、ストックを作る時、少量の酢を入れると、骨から沢山のカルシウムが更に出てきます。

添加物等を一切使わず、自家製の豚骨スープを作っているラーメン屋さんとか、お勧めです。(アメリカ産小麦粉を使って作った麺はお勧めしませんが。)

べーガンの方々は、野菜や種からでも十分にカルシウムが摂れる!と主張されていますが、含まれている量は、動物性のものと比べ物にならないほど低いですし、動物性のものに比べ、体内への吸収性も悪いので、実際に体内へ行く量はさらに少ないです。

カルシウムは、赤ちゃんも沢山必要としていますので(特に妊娠後期)、お母さんの食事でカルシウムが足りない場合、赤ちゃんはお母さんの体内の骨から吸収していきます。妊娠後期や産後にお母さんが虫歯になりやすいのもこの為です。
また、骨粗しょう症が妊娠経験の女性に多いのも、この為でしょうね。

カルシウムとマグネシウムは両方ともしっかり摂ることで、両方とも吸収されやすい、と覚えておきましょう。

鉄分

これも、カルシウムと同様、植物性よりも動物性のもののほうが、量も多く、吸収性があります。吸収性の悪い植物性の鉄分は、ビタミンCと一緒に食べると、少しはましになります。
私は、鉄分の多い野菜にはレモン汁(ビタミンC)をたっぷりとかけて食べています。

動物性のものでは、レバーが一番のお勧めです。

レバーなら、鉄分はもちろん、赤血球の生産に必要なその他の栄養素、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンD等も含まれるので、悪阻によく効きます。

又、悪阻とは直接関係していませんが、レバーにはビタミンAも多く含まれていますので、妊娠中には欠かせません。

レバーはできるだけ、安全な環境で育った動物(ホルモン剤等を使った多量生産でない)ものを選びましょう。

妊娠中はレバーを禁止するドクターもいます。
ビタミンAの摂り過ぎで奇形児になる可能性が…なんて言われているのは、時代遅れです。かなり昔に人工の合成ビタミンAで実験した内容を心配しているのでしょう。人工の合成ビタミンAを単独で(特に十分なビタミンDがない状態で)大量摂取すると、確かに毒素となります。
安全な動物のレバーに含まれるビタミンAは、単独では摂取しませんし、人工の合成ビタミンAとは違い、毒素を持ちません。

又、レバーのように、鉄分、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンA、コレステロールが高いのは、卵(特に卵黄)です。

栄養素の少ない、安~い大量生産卵より、少しお値段はしますが、栄養素がぎっしりつまった自然の卵がお勧めです。

レバーが全く食べれないのであれば、卵を最低でも毎日3~5個は食べるようにしたいです。

毒素が多く、便秘や炎症を起こしやすい鉄分サプリは極力避けることをお薦めします。

ビタミンD

これは魚の肝臓に多く含まれています。
昔は、一般的に魚の肝臓も捨てずに料理や薬として使っていたのでしょうが、現在では捨てるのが当たり前になってしまいましたね。

私は魚のダシを作るとき、肝臓も入れています。

タラの肝臓から抽出したタラ肝油もお勧めです。(信頼できるブランドを選びましょう。)

そして、ご存知の通り、ビタミンDは太陽を直接肌に浴びることで摂取することも可能です。でも、ここで重要なのは、肌に何も付けずに、直射日光を浴びる(日本人の肌なら、最低でも毎日1時間以上)、そして直ぐに洗い流さない、という点です。

日焼け止めや、その他のクリーム、服の上からでは、ビタミンDは作れません!また、お風呂上りやシャワーを浴びたばかりのお肌よりも、汗や皮脂で汚い素肌の状態で直射日光を浴びたほうが、ビタミンDを作りやすいです

ビタミンB6&ビタミンB12

これらは動物性のものであれば、効率よく吸収出来ます。
特にビタミンB12は、植物にはほとんど含まれません。
べーガンの方はB12 のサプリメントを飲まれていますが、あれは実は動物性のものから出来たものなんです。(植物性のものはほとんど吸収されない。)
ビタミンB6も12も赤血球の生産にかせません。

コレステロール

もちろん、加工食品等に含まれている植物性油脂に含まれるコレステロールは既に酸化しており、体に害ですが、酸化されにくい動物性脂肪のコレステロールは妊娠中には不可欠です。妊娠を持続させる為のホルモンはコレステロールから作られますし、細胞膜を強くするのもコレステロールです。
赤血球は細胞です。赤血球の膜が弱いと、赤血球が壊れやすく、折角生産された赤血球がなくなります。
また、コレステロールは、赤ちゃんの脳の発達にも必要です。

脂身の多い魚や肉はもちろん、バター、ギー、ラード、牛脂等、酸化されにくく、高温にも強いので、お料理にどんどん使って下さい。

以上の栄養素を妊娠前から十分に摂っていれば、悪阻とは無縁になることでしょう。

でも、既に妊娠していて、悪阻に悩んでいる方がいると思います。

そんな方の為に、他にできることがあります。

ここからは、悪阻のとても効果的な緩和方法をご紹介します。

意外な方法もありますよ!


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