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【1】同胞さんがひきこもったきっかけ

同胞さんには、正規雇用での就労経験が全くありません。

そもそも社交的なほうではないので、選ぶ職種は倉庫の在庫管理などで、人と関わる仕事をずっと避けているようにみえました。
そして、非正規雇用ですから契約期間満了になったり、自己都合で退職したりして、職を転々としていました。
得られる収入は自分で使う小遣いくらい、もちろんずっと実家に住んでいます。

そんな同胞さんは、あるとき体に変調をきたし、病気になります。

余命宣告されるような病気ではないものの、生涯付き合わなくてはならない病気です。(精神疾患ではありません)
そんな病気になった、いわゆる健康の喪失は、誰しもが辛いと感じる経験でしょう。

これを契機に、同胞さんの「社会的ひきこもり」が始まります。

社会的ひきこもり
「20代後半までに問題化し、6ヶ月以上、自宅にひきこもって社会参加しない状態が持続しており、ほかの精神障害がその第一の原因とは考えにくいもの」斎藤環:社会的「ひきこもり」 1998 PHP選書

治療がひと段落したにもかかわらず、同居してる母親に「死にたい」と言うようになりました。
「こんな体では働けない」、「死んだほうがまし」、「安楽死したい」など悲観的な言動が増え、それを毎日浴びせられる母親は辛く、やせ細っていきました。

母親は、そんな同胞さんの言動になんて返事したらいいかわからず、黙ってしまいます。
すると同胞さんは「なにもわかってない」と苛立ち、「自殺してやる」と脅迫めいた言動にエスカレートしていきました。

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