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世田谷線に乗りたい

演劇エッセイ/3日目

世田谷パブリックシアターシアタートラムは、三軒茶屋駅に隣接する公共劇場です。隣接というより「繋がっている」とか「併設する」という表記が正しいかもしれませんが、僕にとっては「隣」という感覚があります。理由は簡単で、これらの劇場へ行く際は、できる限り世田谷線に乗りたいから。

東急世田谷線は下高井戸駅と三軒茶屋駅を結ぶ路面電車(軌道線と呼ぶそうです)で、東京さくらトラム(旧荒川線)と並び都内に現存する稀少な存在と言えます。余談ですが、この「トラム」という言葉の意を、僕は割と最近まで知りませんでした。路面電車や市街電車の意味だそうで、世田谷パブリックシアターを「世田パブ」、シアタートラムを「トラム」と略称していた自分は、劇場のことを「路面電車」と呼んでいたのだなぁ、と思いました。

この世田谷線。下高井戸方面から乗ると終着駅が三軒茶屋です。で、駅舎を出て右に曲がると世田パブ、左に曲がるとトラム。駅からの所用時間は世田パブが徒歩2〜3分、トラムは30秒〜1分。下高井戸駅から世田谷線に揺られ、のんびり車窓を眺め、三茶に着いたらその隣。それが僕にとっての世田パブとトラムです。

※下高井戸から三軒茶屋までの動画がありました。やはり世田谷線は天気の良い日中が楽しいですね。

僕にとって、と書くのは、三軒茶屋駅は東急田園都市線と東急世田谷線のふたつあり、田園都市線の方が圧倒的に乗車数が多いので、世田パブやトラムへ行く際は田園都市線を利用される方が大多数だろう……という推測から。田園都市線は渋谷駅で乗り降りでき、乗り換え含め利便性が高そう。でも僕は、やはり世田谷線に乗りたい。下高井戸から三軒茶屋まで約20分。観劇前に過ごすあの20分は、作品の予習をしたり、軽く目をつむったり、小腹を満たしたり、もちろん車窓を見たり、観劇前のウォームアップタイムとして活用しています。

そして、今年2月に世田谷線に乗り世田パブへ行ったので、次回はその観劇について書こうと思います。

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