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志賀廣太郎さん

演劇エッセイ/9日目

青年団の俳優・志賀廣太郎さんがお亡くなりになりました。

僕は何度もインタビューする機会に恵まれ、とてもお世話になった俳優さんでした。いつお会いしても、優しく朗らかに接して下さり、僕の無茶ぶりのような質問にも、にこやかに答えて下さいました。

訃報を知ったのは昨日(2020年4月30日)の午後。その後、気持ちが落ち着かないままツイッターのタイムラインを眺めます。青年団関係者をはじめ志賀さんと親交の深い演劇人が続々と追悼の意を表し、僕のタイムラインは志賀さんの優しい人柄と茶目っ気あるエピソードで満たされていきます。ネットニュースのコメント欄には、映画やTVドラマで志賀さんに魅了された方々が、同様に追悼の意を書き込んでいました。本当に多くの方に、その存在が届いていた名優だったのだなぁと、改めて思います。

僕は、青年団作品に出演された志賀さんは勿論ですが、客演先での志賀さんのことを、より印象深く覚えています。五反田団『いやむしろわすれて草』、ナイロン100℃『ナイス・エイジ』、そして、ハイバイ『おねがい放課後』、etc…。

志賀さんへのインタビューで、強く印象に残っているのは『THE3名様』から人気が出てスピンオフ作品も発表された『パフェおやじ』に関する取材。取材当日は雨が降っており、ポートレート撮影時に傘をさして外へ出て頂いた。あいにくの天気の中、笑顔で対応して下さり、透明感のあるきれいな写真が撮れた。そのこと自体も嬉しかったのですが、撮影場所を変えて室内で撮った時、カメラマンのリクエストに全て笑顔で応えてくれたことも嬉しかった。とても紳士で、優しい男性でした。無茶ぶりのリクエストもあったので「ちょっと恥ずかしいね」なんて照れながら仰ったことも、先日のことのように覚えています。

志賀さん、もっともっと、出演舞台を観劇したかったです。どうか、安らかにお休み下さい。本当にありがとうございました。

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