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吉祥寺ファミリーシアター『ぞうれっしゃがやってきた』

演劇ライターの園田です。ここ何年か、観劇した演劇公演の感想はツイッターに書いてきました。でも、色々と思うところがあり、今後はnoteを試してみようと考えています。140字×3ツイートならざっくり400字ほど。それ位のテキスト量なら、リンクや引用などの編集も手軽だし、noteの方が良いかも? という。

それプラス、僕個人の活動として「観劇作家」という肩書きを試してみようと思っていて。まあ「どこが“作家”だ!?」と自分でも思いますが(笑)、いやいや、まあ……、それはそれで。とにかく、劇評でも作品の感想でもインタビューでもなく、観劇という行為そのものを大切にしていこうという想いが、僕にはあります。感想から逸脱したいというか、感想を内包した観劇日記みたいなものを書いてみようかと。

ということで、今回はコチラの公演を観てきました。

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吉祥寺ファミリーシアター『ぞうれっしゃがやってきた』

脚本・演出は青☆組の吉田小夏。今作では振付も担当されています。

【あらすじ】 さぁ、お話がはじまります。これは、今日よりもすこーしだけ、昔のお話。1949年。ぞうれっしゃ「エレファント号」が、ぞうとの対面を心待ちにしている東京の子どもたちをいっぱい乗せて走ります。行先は名古屋。東山動物園を目指して。1937年。寒い冬の日、エルド、マカニー、アドン、キーコ、4頭のぞうが東山動物園にやってきました。こんがりとこげたおむすび、やさしい飼育員のお兄さん。動物園にはぞうたちが大好きなものがたくさんありました。その年、戦争が始まりました。おむすびにお兄さん、大好きなものたちは一つずつ、動物園から消えていきました。ついに動物園にも爆弾が落とされました。空襲です。これは、今日よりもすこーしだけ、昔のお話。――そして、本当にあったお話です。(※公演ホームページ「あらすじ」より)

まず、ファミリーシアターという企画がいいですよね。実際に多くのお子さんが客席に座っていました。吉祥寺シアターのみならず、近年は子どもと一緒に観劇できるプログラムが増えているので、是非こういう機会を活用して、お家で感想を語り合ったり、観た作品の「ごっこ遊び」などをして、演劇に親しんでもらえたら…と思います。今作ならば、戦争について語り合うのは勿論ですが、俳優が演じた動物の様子を真似て、「ぞうさんのマネ!」とか「ねずみさん!」とか、色々やって欲しいです。

劇中は、吉田さんらしい温かみのある手触りで、各シーンが紡がれていきます。しかし、日に日に戦況が激化していく日本を描いているので、ひとつひとつのシーンが、ズシリと重い意味を持ちます。口当たりは優しくとも、そこに込められた想いが明確に伝わってくる作品だと感じました。

ネタバレを極力避けたいと思いつつ…、僕は個人的に虎のシーンが好きでした。あのシーンで描かれたもの、そしてシーン全体の雰囲気は、今作の感想を家族で語り合う際、大きな意味を持つと思います。8月のこの時期、ということもありますし。

最後に。これは観劇前から「イイなぁ」と感じていたことですが。吉祥寺には動物園があるので、今作を観劇した後、井の頭自然文化園を訪れるのはアリだなぁと思っていました。現在はコロナ禍の影響で予約入場制のようですが、いつか動物園にも足を運んでみたいです。象のはな子が長く飼育されていた、象と縁のある動物園ですし。

吉祥寺シアターは入口隣にカフェが併設されていて、それも魅力なんですよねー。

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僕はひとりカフェが苦手なので(間が持たない…)、今回は立ち寄りませんでしたが、現在、公演にちなんだ象のソフトクリームが限定販売されているそうです。お子さんと一緒に食べる、公演後の象のソフトクリーム。いいなぁ。

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結果的にツイッターに書くより随分テキスト量が増えちゃいましたが……、基本的に「ツイッターに書く調子で、リンクなどを整えた、読みやすい観劇日記」を短いテキスト量(ツイッターと同程度)で書いていこうと考えています。宜しければ、また次の観劇日記でお会いしましょう!


観劇作家の日記帳【PAGE.01】吉祥寺ファミリーシアター『ぞうれっしゃがやってきた』

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