修行つづき
菓子職人さんは3年間働かせて頂き浅く広く、生菓子、焼き菓子、チョコ、アイス、ゼリーを教えて頂きました。菓子職人さんの1番の売れ筋商品は抹茶トリュフで 京都一保堂さんの抹茶を使用した高級トリュフショコラです。
今は機械でトリュフを丸めていますが当時は手で分割していたので指がおかしくなるくらい延々と丸めていたのを覚えています。笑 ロールケーキやデコレーションケーキもすごい売れていたので生地も何回焼くんだ!ってくらい焼いていました。 でも凄く楽しかったです^ ^
素晴らしい経験
その後わたしはイタリアンの巨匠 笹島保弘シェフのお店であるリストランテ イルギオットーネで修行させていただきました。 このレストランでは本当に多くの事を学びました。
まず面接で現在cenciのオーナーシェフの当時料理長である坂本健さんにに自由にやってくれていいからと言われたのを今でも覚えています。例えばマンゴープリンをカキ氷風にしたりとか、、面接でワクワクしてました。この自由と言うのが後に凄く難しくて、努力が必要なんだなと言う事に気づきます。
入社してからと言うもののまずお菓子屋さんとの仕事の流れが違いすぎてもはやパニックです。学生時代居酒屋で働いていた時もありましたが当たり前ですがレベルも客数も桁違い。当時は毎日のように満席。さらにはランチは2回転が当たり前。休憩なんて一瞬でディナーに突入。 簡単に言うと仕込み時間が短く、皿盛りをしながら仕込みをしながら。 周りにいる料理人の方々はテキパキと綺麗に淡々と料理してお客様の要望にも応えて更には前回来たお客様には同じ料理を出さないよう今ある食材で瞬発的に判断して新しい料理を提供。 当時は自分のことでいっぱいいっぱいで周りが全然見えていなくて、、今思えばあんなに凄いメンバーが周りにいたことに驚愕。全員トップクラスの一流の料理人です。
そんな中で四季折々のデザートを提供するわけですが、前職、菓子屋に勤めていた私はレストランでの自分の存在の意味を履き違えていたと思います。コースの構成を理解して味のバランスや提供する量を考え心地よい満腹感で食事を楽しんでいただかないといけないのに、いつも自分の作りたいものだけを作っていたように思います。 よく笹島シェフにお前のは量が多いんねん!
と言われていたのを覚えています。この言葉は今でも大切にしていてお客様の事を第一に考えなさいと言うことでした。ケーキ屋はお客様が食べたいと思うケーキを選び召し上がられますがレストランは違います。 決められたコースの料理やデザートをお客様は召し上がられるのです。この当たり前のことを実行するのが非常に難しいのです。
その後も必死にデザートの勉強をするわけですが中々直ぐに感覚を掴むことは出来ず、日々の忙しさにもまれて通り過ぎていく日々。。まぁ頑張り。お前がどうであろうと俺たちの土俵は一緒やねんからしっかりしや。 ごもっともの言葉が心に刻まれていくばかり。 料理人は凄い…。。こんなクタクタなのに美味しい料理を毎日提供してる。自分だけ…悔しい毎日でした。 時には悔しくて涙する日々も。 それでもなんとかしがみつきながら過ごす訳ですが、皆さん本当に優しくて食材の情報をくださったり、調理法、食材に対しての考え方等を日々教えて頂きました。
そして、何とか2年くらい経ったくらいでやっと少し納得の行くデザートが出せるようになりました。今思えば全然でほんと恥ずかしいですが。笑 カフェかってツッコミたくなります。
しかし、この食材に対しての知識や考え方は本当に大きな財産になりました。その後海外のフェアなども経験させていただき、本当に感謝です。こちらは「アジア・ベスト・レストラン50」Iggy'sでの写真。
その後も様々なことに挑戦させていただけました。マカロンやクッキーの手土産を作ったり、催事でロールケーキ販売させて頂いたりと。考えることの大切さん教えてくださった笹島シェフには感謝しています。
最後、、私が卒業する際に下さったメールがいまでも私の宝物です。。
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