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ネットの誹謗中傷を考える

 ネットの誹謗中傷により女子プロレスラーの方が自殺された事が話題になっています。どうやら出演したTV番組が原因のようですが、僕はこの番組を観ていないので詳細は分かりません。ただ、彼女が自殺後多くの誹謗中傷コメントやアカウントが削除された事から見ても、ITリテラシーの低い、ろくでもない人間が書き込んでいたのは間違いない。
 ・・・僕はどうしても匿名ってヤツが嫌いなので、多少感情的になってしまいますね。

 僕自身、コントラバスコンテストを立ち上げた時にネットでいろいろ書かれた事がありますし、演奏家として活動していると、批評家ぶって偉そうに演奏会批評をしている匿名アカウントもたくさん見かけます。だいたいそんな人たちは「クラシックに精通している俺スゴイでしょ」的な自己満足なんだろうと相手にしないようにしていますが、「何だこいつら」と思う部分がある事は否めません。
 そんな事もあって僕は、匿名でしか発信出来ない連中が心底嫌いです。だから今回の件について、こんなツイートをしました。

 ここにも書いたように、以前僕個人に絡んできた人が数人います。彼らに対して「言いたい事があるなら今度楽屋口に来い」とメッセージを送った事がありますが、誰一人来たことがありません。結局、面と向かって何も言えない連中なんですよね。

 この事からも分かるように、匿名の陰に隠れてしか発言出来ない連中がたくさんいる。名前を出していないから自分の言葉に責任を持たない、気軽に投稿してしまう、ヤバいと思ったら削除して逃げる、こんな事がまかり通っている訳です。

 ちなみに、平成26年に行われたTwitterの匿名利用率調査、世界で見ても日本は75%と断トツに高いんだそうです。アメリカ、イギリス、韓国、シンガポールなどが30%台。フランスでも45%。
 これが何故なのか原因は分かりませんが、もしかしたら2ちゃんねる(現在は5ちゃんねる、という名称のようです)の存在が影響しているのかもしれないですね。名前を出さず好き放題発言する低俗な文化や意識は、あそこから誕生してしまったのかもしれません。これは推測に過ぎませんが。

 で、僕もいろいろ書かれた時に最初は落ち込みました。「ネットの言葉なんかほっとけ」と言ってくれる友人は多かったんですが、内容に関わらず言葉の暴力って結構心に突き刺さるんですよね。あのメンタル最強だと思っていたホリエモンですら「大量にやられると精神的にマイナスは来る」と言ってました。音楽家は特に心が繊細だから傷つきやすい、というコメントも見た事があります。
 我々程度のコメント数でも傷つくのだから、芸能人やスポーツ選手のストレスは想像を絶するし、メンタルの強さには感服しますね。誹謗中傷する連中というのはここまでの想像すら出来ない貧しい頭の持ち主なんだろうと思います。
 でも、最初マイナスに行ってた気持ちがだんだん怒りに変わっていって、先ほどのように相手に直接メッセージを送るという行動に繋がったんですが、その後スポーツ選手の言葉などを見ていて勇気を貰いました。中でもサッカーの三浦知良選手の「俺だから叩かれる、価値のない奴は相手にもされない」という言葉は沁みましたね。「叩かれるようになったら一人前」という発想。だから叩いて良いのかと言うとそれは違いますが。
 後はある友人の「お前は何かを変えようと行動を起こしたからそうやって何か書かれたりしているけど、書いてる奴らは自分では何も出来ない連中だからお前が羨ましいんだよ」という言葉も励みになりました。
 結局、今では何か書かれても「ご苦労様です」「ありがとうございます」と心のない返信だけして受け流し、ブロックしてお終い。最初から相手にする時間がもったいないと気づきました。
 ダルビッシュ投手が人に襲い掛かる大量の虫の画像と共に「ネットの誹謗中傷ってこんな感じ」と投稿してましたが、あれはまさに的を射た投稿でした。あれで気づいてくれる人がいると良いんですが。

 先ほどのツイートでは「匿名なんて止めちまえ」と書いていますが、一度文化となってしまった物はそう簡単に無くならないでしょうね。
 だからこそ、匿名で心無いコメントをした者は相応に裁かれるべきで、一つ一つのコメントに対しもっと簡単に情報開示請求と訴訟が起こせる社会になっていくと良いのではないでしょうか。個人情報の問題等あって簡単ではないと思いますが、自分の名も名乗れない人間がのさばる社会は絶対にあってはならないと思います。

 僕自身も気をつけようと思いますが、他人について投稿する時は、相手の家族の事を考えたり、自分が相手の立場ならどう感じるか考え、最小限でも良いからリスペクトを持って書くように意識していくと良いかもしれません。
 

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