#3 【会社員でもPB更新】大村由莉香選手の紹介
【プロフィール】
第3回は北海道IREの大村由莉香選手を取材しました!
大村選手は社会人になってからPBを更新する強者ですので、ぜひ最後までご覧ください!
【顧問の先生に勧められて高1から競歩をはじめる】
陸上競技をはじめたのは中学時代。陸上部で800〜3000mを専門にやっていた。
高校でも陸上部に入部して長距離をやっていたが、3年生の競歩の先輩が引退したのを機に顧問の先生に勧められて競歩へ転向。
意外にも競歩への転向に戸惑いはなかったという。
種目に好き嫌いはなく、「競歩だったら上の大会にも行けるかも」という前向きな気持ちではじめた。
【ショートインターバルばっかりでも全国インターハイ出場】
顧問の先生はハードルが専門であったこともあり、練習メニューのほとんどがショートインターバルだった。(200や400など)
今でこそびっくりする話だが、当時はTT以外で5000m以上歩いたことがなく、先生を信じて練習していた。
それでも5000mWを25分半で歩き、全国インターハイにも2度出場した。
【北海道出身でも暑さに強い?】
高校時代は1つ1つの練習や大会にがむしゃらに取り組んだ。
そんな中で印象深く残っている試合が高2の大分全国インターハイ。
猛烈な暑さで「北海道の自分はバテる」かと思いきや意外にも周りの選手よりもバテることなくフィニッシュ。
決勝までは進めなかったが、それでも全国インターハイで力を発揮できたことが嬉しかったという。
がむしゃらに取り組む姿勢が厳しい条件の試合でも結果につながったのだろう。
【岩手大学に進学した理由は競歩?】
大学進学は考えていたが、行きたい大学は特になく「北海道を出てみたい」という思いくらいしかなかった。
そこで「やりたいことがないなら今まで続けてきた競歩をやろう」ということに!
岩手大学に競歩の専門の先生がいることを顧問の先生から教えてもらい受験。
びっくりなのが陸上推薦ではなく、工学部の推薦入試で合格。
得意教科は物理という女子学生には非常に珍しい意外な一面をもつ大村選手。
現在のお仕事にもつながっているそうだ。
【指導者任せではなく自分で考えて練習】
岩手大学では東京五輪日本代表の高橋英輝選手を育てた清水茂幸先生の指導を受けた。
しかし、高校までとは違い、練習メニューは選手が各自で考え、清水先生には必要に応じてメニューや歩形のアドバイスをもらった。
メニューは出場する大会に合わせて距離を設定。
タイムは今の自分が歩けるペースをベースに少しでも設定より速く歩けるように意識して練習していた。
【大学時代の思い出深い大会2選】
大学時代は特に思い出に残っている大会が2つあるという。
1つが2年時の高畠大会。
10kmに出場し、初めて全国大会で入賞した大会だった。
この頃はなかなか調子が上がらずタイムも出なかった時期だったこともあり、本当に嬉しかったそうだ。
2つ目が3年時の元旦競歩。
この大会で10kmを51分02秒でゴールし、学生個人選手権の標準記録(当時は51分00秒)に2秒届かなかった。
標準が切れなくて悔しい試合となったが、清水先生が初めて本気で応援してくれた大会でもあった。
応援してもらった嬉しさと「あと1秒を大切にしよう」と思うきっかけになった大会だったこともあり、印象に残っているという。
この大会を機にペースウォークなどで設定タイムのズレがないように意識して練習するようになったそうだ。
【ダイエットがきっかけで競歩を再開】
大学院卒業後競歩からは離れていたが、ダイエットがきっかけで競歩を再開することに。
強制力がないとなかなかダイエットを続けられないことから福田修平さんが中心となってやっている競歩の練習会に参加するようになった。
最初はダイエットが目的であったが、「どうせやるなら本気でやりたい」と競技に打ち込んでいる。
練習は平日会社の昼休みに3kmランニングし、土日に競歩の練習会でポイント練習を行なっている。
土日だけでは体力が落ちてしまうので、ラスト1kmをダッシュで走る平日の練習がとても効いているという。
【会社員をしながらPB更新!】
忙しい中でもコツコツと練習を継続していくことで、フルタイムで働きながらでも自己ベストを更新した。
5000mWは2022年9月の札幌選手権で25'07"32でこれまでのPBを2秒更新。
10000mWでも同年10月の北海道学連競技会で50'58"38 でこちらはなんとPBを2分近く更新した!
会社員として働きながらも学生時代のPBを更新できた理由として、「競歩の練習が週2でしかできないからこそ、メリハリのある練習ができていることが大きい」と話していた。
実業団でなくても競技を続け、学生時代の自分を超えた大村選手の努力と取り組みは学生・社会人問わず勇気をもらえる選手が多いのではないだろうか。
【今後の目標】
北海道代表として国体に出たいという思いはある。
ただ、競歩を楽しむことを大事にしたいので、競歩を通じていろんなところに行って好きな旅行も兼ねながら楽しくやりたいと語っていた。
あと、5000mWで24分台を出して全日本実業団に出ることが目標だそうだ!
【Q&A】
Q.北海道や岩手では冬の時期はどんな練習してたの?
A.北海道(高校生の時)は歩くスキーをしていた。
岩手(大学生の時)は雪かきを長い時は3時間した後に競歩の練習をしていた。
Q.仕事と競技の両立はつらくない?
A.練習がきつい時期もあったけれど、今は仕事のストレス発散にもなっていて、むしろ仕事だけでは生きていけないと感じている。
Q.仕事との両立で工夫していることは?
A.「切替」が大事。仕事は仕事、競技は競技で集中してやる。
目の前にあることを一生懸命やることが大事。
【まとめ】
今回は北海道IREの大村由莉香選手をご紹介してきました。
大村選手とは大学時代何度も競い合った戦友でもあるので、社会人として元気に頑張っている姿は私自身とても励みになります。
2月の日本選手権にも出場するとのことなので、ぜひ20kmもPB更新してほしいです!
それでは本日も最後までご覧いただきありがとうございました!
おわり
前回の記事では千葉スピリッツの高橋(根本)侑実選手の紹介をしていますので、まだ読んでいない方は併せてご覧ください!
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