Vol.001【ベアーフーズ】「作っているのは、熊料理じゃない?!『長崎蚊焼干し』です」 ~ゼロから始めた夫婦の21年~
当時20代だった夫婦2人で、ゼロから始めた「長崎蚊焼干し」作り。
安い&大きい&美味しいがこだわりです。
長崎市のふるさと納税の返礼品としてだけでも年間7000件の注文があり、全国には多くのファンがいます。
長崎近海で獲れた魚を使い、ふっくらジューシーに仕上げました。
冷凍のまま焼くだけでOKという、忙しい方たちの味方!
焼くと脂がジュワっと出てきて、食欲をそそります。
ゼロから始めた長崎蚊焼干し作り
長崎市南部に位置する蚊焼町。
自然豊かで、木々のそよぐ音が心地よい町です。海も見えました。
ベアーフーズは、そんな蚊焼町で長崎蚊焼干しを作っています。
代表は、福田一義さん。一義さんを支えるのは、奥様・なおみさん。
(撮影のためにマスクを外していただきました)
ベアーフーズは2000年創業。創業当時、一義さんは29歳でした。
元々、魚市場や干物関係の仕事を経験していた一義さん。
自分でも一夜干しを作ってみようと決断。
なおみさんは「なんとかなるよね~」「ダメやったらやめようか~」と一義さんの決断を後押し。手伝うことを決めました。
そして、長崎蚊焼干しが誕生したのです。
しかし、なおみさんは、魚をさばくどころか、仕入れた状態のままの魚を触ることさえできませんでした。一義さんたちに教わりながら、一夜干しを作る方法を覚えたと言います。
ところが、美味しい蚊焼干しを作れるようになっても、大変な日々は続きました。
もやしを食べ続けた日々
創業から数年は、知名度が上がらず、なかなか売り上げも厳しかったと言います。
家計も苦しくなり、もやしや安いウインナー、仕入れた魚、ご飯しか食べられなかった時期もあるそうです。
その後は、安くて美味しい!という口コミが徐々に広がり、ファンが増えていきました。
地道な努力が実を結んだのです。
私も実際に食べてみて驚いたのが、口に入れたときに広がる脂!
しかもその脂が魚の旨味で溢れています!!
脂自体はサラサラであっさりしており、いくら食べても重くなかったです。
“お焦げ”の香ばしさもいい!
塩加減や甘さも絶妙で、熱々のご飯と食べたときは…堪りませんでした。
改めて、長崎の魚の美味しさを知り、その魚の美味しさを活かすプロたちがいる長崎って最高だ~と思った瞬間でした。
長崎蚊焼干しができるまで
そんな長崎蚊焼干しはどのように作るのでしょうか?
①仕入れた魚をひらきます。
手開きです。敢えて手開きにすることで、見た目が美しくなります。
②血合いをとります。
これも全て手作業です。
③味付けをします。
ベアーフーズでの味付けは2種類。塩とオリジナルの味醂です。
塩は天然塩を使い、濃度や漬け込み時間は職人の感覚で調整します。
味醂は、醤油や砂糖などを使い、創業当時からの継ぎ足しで作っています。
④冷風乾燥をします。
味付け方法により乾燥時間も異なります。
⑤急速冷凍をします。
-25℃!寒かったです!!
⑥完成です。
その後、包装・箱詰めをし、出荷されます。
多いときは、1日に3000枚もの長崎蚊焼干しを作ることもあります。
これらを福田さん夫婦含め9人で行っています。
現在、ベアーフーズでは年間を通して約20種類の長崎蚊焼干しを作っています。(サバ・ヒラアジ・イカ・イサキ・カマスなど)
一番人気はアジで、食べやすく、あっさりしています。
なぜ“ベアーフーズ”(熊料理)なのか?
さて、気になっていた「ベアーフーズ」という社名ですが、“ベアー”はやはり熊のことでした。
実は一義さん、中学生のときの体重が100kgあったそう。
(当時の写真を見せるのは恥ずかしか~とのこと)
当時のあだ名が「クマ」
社名を考えた当時、“ノリ”でつけてしまったとのこと。
「21年も続くんやったら、ちゃんと考えればよかった~」と、一義さんは笑います。
でも、インパクトがあり興味を引きますので、私は“ベアーフーズ”という社名好きです。
話しているうちに、ふと気になったことがありました。
「私生活では、どのくらい魚を食べるんだろう?」
答えは…2人とも肉派らしいです(笑)
「刺身は食べるけど、焼き魚って月に1回くらいかも!」と。
なおみさんは「肉屋さんの友達おらんかな…」とつぶやいていました(笑)
「でも、商品の出来とかを確認するので、仕事ではよく食べますよ!!」と付け加えていました(笑)
安い&大きい&美味しいものをお客様へ
創業当時からのこだわりは、安くて大きくて美味しいものをお客様に届けること。
原料費等が上がっても、ほぼ値段は変えていないと言います。
そのこだわりも後押しし、人気は更に高まっています。
催事等で出店した際、「若い子がうちの商品を見て、『蚊焼干しだ~!』って言ってくれるのが、もう…すごく嬉しかったんです」と、一義さんのこの日一番の笑顔が見られました。
幅広い世代の方に愛されていることが分かります。
これからも地域密着型で、お客様へ安くて大きくて美味しい『長崎蚊焼干し』を届けるのが目標です。
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