おすすめの本紹介②

今回の本は教育系の本ではなく、社会心理学の本を紹介します。

今回紹介する本は「社会はなぜ右と左にわかれるのか」という本です。

アメリカにおける、政治において、リベラル派はなぜ、保守派には勝てないのか。ということを切り口に、私たちの道徳観がどのような基盤に立脚しているかということを明らかにしていきます。結論から述べると・・

・理性と情動では情動の方が明らかに強い。

・いわゆる自由民主主義が発達した先進国の道徳観は決して普遍的なものではなく、その地域特有のものである。

・それゆえ、道徳観の内の一部分にしかアプローチをかけることが出来ない。

・いわゆる左派と右派の道徳的思想観を比べると、右派の方が多様な道徳観にアプローチをすることができている。

といったことを説明していくれています。

この本の面白いところは、政治という切り口から入り、その答えを我々の道徳観に求めたところです。日本の政治討論番組が大抵の場合において、ののしりあいにしかなっていない理由についてもこの本を読むとより、理解できると思います。

また、きっかけとなる道徳的タブー侵犯のストーリーがとてもセンセーショナルで・・・

ある二人の成人した兄妹がいる。二人は旅行中にセックスをしようと思いたつ。妹は避妊薬を飲み、兄は念のためにコンドームを使う。二人は一夜を楽しんだ後、もう二度としないと決め、二人だけの秘密とした。そうすることで、二人の愛情はさらに高まった。(本文より要約)

多くの人はここで「いや!ダメでしょう!」と言いたくなるのですが、厳密に見ていくと何がいけないのかを考えていくと詰まってしまうのです。(誰かにばれてもいなければ、妊娠のリスクはなく、傷ついている人もいない。同意もされている)でも、肯定するには感情がゆるさない。そんな話から道徳観ってもっと広い範囲をカバーしているものじゃあないの?と議論を進めていくわけです。

それにしても、道徳を考えるのは割と非道徳的行為だなあと時々思うこともあるわけです。

ぜひ、ご一読を!

この記事が参加している募集

推薦図書

この記事が良かったと思ったらスキ!&フォローよろしくお願いします。日々の投稿の励みになります。サポートも頂ければ、日々の教育の中で使おうと考えています。