道徳読み
今日は道徳読みという授業方法についてお話します。
道徳読みは横山験也さんが考案した、道徳の教科書を使った新しい授業方法です。授業の流れはこんな感じになります。(ちなみに、私はこの形での授業はしたことがありません。ですので、これから書くことは、全て印象であるという点に留意ください。)
①普通に読む
②道徳探し、道徳見つけ
③発表する
④通知表を付ける
⑤省みる
という流れで進んでいきます。どの教材であっても物語文系の教材ならば、この方法で進めていくことができるのではないでしょうか。
特徴的なポイントは②の「道徳探し、道徳見つけ」、④「通知表を付ける」という処でしょう。
「道徳探し、道徳見つけ」とは、教科書の中にある「道徳」を感じるところを探していく作業を言います。この『「道徳」を感じる』という表現が非常に曖昧ですが、道徳が何かという部分は定義されていません。ただ、見つけるときの観点としては、「正しいところ」「悪いところ」はないかというものだそうです。つまり、子どもの心の中にある善悪の判断を一つの基準とします。
「通知表を付ける」とは物語文に出てきた人物に対して、子どもたちが〇か△かの評価をします。評価した理由の中に自分の気持ちや道徳的価値観が含まれているということになるようです。また、理由を言うことで漠然と理解されていた道徳的価値が、より論理的に理解されるようになります。その中に現れる微妙な違いが子どもたちの価値観の幅を広げていきます。
「省みる」とは、いわゆる、自分に振り替えるという部分です。道徳読みでは、1、その善いところを見て、自分もそうなりたいと思う。2、その悪いところを見て、自分にもそういうところがありはしないかと思う。としています。見つけ、話し合った道徳観を基に自分の考え方を振り返り、自己の生き方につなげていくようです。
道徳読みの特徴をまとめていきます。
・授業展開が非常に簡単(物語であればどの教材でもできる。)
・するべきことが明確(道徳見つけはやる間になれてきてできるようになる。)
・評価をしやすい
・自分たちで道徳的価値を発見していくという点で、主体的である。
気になる点としては
・価値の深まりを作るにはもう一工夫必要。
・現在活躍中の人を扱った教材では使いづらい
・授業記録を見た際に、子どもたちが何か新しい発見をしたというようには見えにくい。
・見つけるという点では主体的になりえるが、それでも根本的な部分では教師主導である。
以上です。
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