今は無い街の風景/今日写講Vol.15
何気ない今の街を撮る事で、1年後、3年後、5年後に同じ場所に行くと様変わりする「街」
それは、今が全く同じように未来に存在し得ないことを教えてくれます。
写真の整理
僕がまとめているマガジンの「家族写真を残していくということ」の「家族写真しよう! Vol.03」では家族の写真を撮りっぱなしにするだけじゃ無くて、家族で改めて写真を見る機会をつくって、カタチにしようという話を書きました。
これとは違った写真の効用をお伝えしてみようと思います。
メインじゃ無い写真
今回の話は元々街スナップをしている方向けではありません。
撮影したとき変わる事無いと思っていた「街」
背景だった「街」
とりあえず、2009年頃〜2013年頃の福井の街。何かを撮ろうと思ったと言うより、散歩をしててなんとなく撮った街。
順不同に見つけたものを載せてみました。
2020年に見てみると
有るべき建物が無い。
今は閉店してしまった店がある。
ただ、季節が巡れば桜は咲く。
福井という2023年に向けて新幹線に関する工事やまちづくりが進むからこそかもしれないが、平成を通り越して未だ昭和が存在している。
ただ、昭和の平成も新幹線と再開発で一瞬にして無くなっていく。
今、見返してみるとそんな気分になってしまいました。
消さないで。
撮影した時、作品を撮ろうとしたとき、家族写真を撮ろうとしたとき、そこに写る背景。
背景としての街、テストで写り込んだ街。
自分の意図しない写真の中の街
デジタルなので確認して、必要ないと思ってスグに消していませんか?
本当に消さないでください。
カメラを持って撮影をするというのは、変化していくものをアーカイブしていく作業でもあります。
未来に残っていれば
遠くの山を撮影していて思うのは、急激な地殻変動が起きない限り、100年くらいは同じような風景なんだろうな。
海の水平線を見ていて思うのは、見ているこの場所がある限り、1000年前も1000年後も同じような水平線なんだろうな。
ただ、人の営みで形成されている街は、常に変化をしている。
淘汰されて無くなるもの、変わるもの。進化していくもの。
残そうと思って意図をもった写真ではなくて、
偶然写真に残っていた過去の風景、過去の街
消してしまえば、それで終わり。
消す作業さえしなければ、
データの海に溺れていたとしても、未来に振り返ることができる可能性がある。
せっかくデジタル化した写真の世界。
データ消さずに残してください。
違いを見つけてみる
今回、「街」が写っているモノをデータの海から拾いだして、アップしてみました。
福井という地方に来たことの無い人はわからないだろうし、福井に住んでいてもその場所に行ったことが無い人には、今と昔の変化はわからないだろうと思います。
でも、撮影した自分は撮影した日と今の違いを見つけることができて、面白い発見がありました。
この体験ができるのは消さずに残っていたからです。
「街」という集め方以外でも良いと思います。
人によっては海。
人によっては公園
人によっては彼女
人によっては彼氏
人によっては、、、、。
消さずに残すと
今、未来にテーマを決めて探すと面白い発見があるはずです。
大切なコト
意図して撮らない写真を、
あえて消さない。
思い出じゃない、時間場所へのタイムスリップ
「あえて消してなかった写真をテーマを決めて拾い上げて整理してみる」
外に出ることが難しいときの、時間の使い方。
写真の楽しみ方のご紹介でした。
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