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407/1000 【大河ドラマ】 勝手に総集編 「麒麟がくる」

「麒麟がくる」ロスにかまけて、全て集めてマガジン化してみました。

読み返してみて、その回毎に印象に残ったセリフやシーン、そこから連想される現在を短くとも書き留めておいてよかったなあ、と改めて思いました。#自分グッジョブ

その瞬間の思いは、その瞬間にしかありません。それを後から読んでみると、新たな発見と共に新たな思いも芽生えます。人間の感情って、本当に刹那の存在です。

読み返してみてハッとしたことを、幾つかピックアップします。

変わらず在るものを守っていくのが、残された者の務め... 大事なのは、この国ぞ (8話)

十兵衛ママのセリフです。本能寺に向けての光秀の思いは、既にここからタネを撒かれていたのです。大事なのはこの国。光秀も、自分の後に残された者にこの国を麒麟ごと託したように思います。

先週の竹千代パパりん殺害も、(信長は)あっさりちっさい竹千代にバラしてしまう。(10話)

この時から家康は信長様への恐怖を感じていたのですよね。そりゃ、饗応役がいないと不安だわ。この「バラしの」信長のことは、すっかり忘れておりました。

言葉は刃物ぞ。気をつけて使え (13話)
したたかで無垢で、底知れぬ野心がある
人の上に立つものは、正直でなくてはならぬ (14話)

斎藤道三3連発。光秀が心に留めていたであろう道三の教えたち。これ以外でも、「己の国が豊かで人並みに暮らせるところであれば、他国に目を向けることはないはず」は、43話で光秀から家康に伝授されました。平らかな世造りのバトンは、道三の思いと共に家康に引き継がれていったのです。

司馬遼太郎さんの「国盗り物語」は、「道三→光秀→信長」と物語のバトンが引き継がれていったけれど、本作は「道三→光秀/信長→家康」となっている。

その道三も信長を「無垢」と表現しているのです。信長さんは無垢なまま、バランスの悪い(年齢だけは)大人になってしまったのです。あの死に様は、まさに無垢なままでした。(涙)

18話あたりでようやく光秀が主役っぽくなりました。それまでの光秀は、美濃の国の歴史の生き証人に過ぎませんでした。傍観者のような立ち位置が続き、光秀がほぼ出てこない回もあったほど。

それが大きく変わったのが桶狭間の回であり、これを最後に3ヶ月のコロナ休憩に入るのです。

再開してからは、光秀はしっかりとセンターに立っていました。それまで傍観者であった光秀が、再開後は自らの意志で動き出す。その折り返し地点でもある桶狭間までは撮影が出来ていたというタイミングが神がかっている。あたかも麒麟に守られているかのよう。

物の価値は人が決める。  松永弾正 (23話)

平蜘蛛の価値はどこに置くのか。金換算か、上に立つ者の器量を図る物差しとしてか。小さいけれども大きなフラグ。

皆を喜ばすための戦なら厭わぬ。だが、この先どこへ向かって戦をすれば良いのか。それが判らぬ。 織田信長(25話)

ここで光秀(と帰蝶ちゃん)がけしかけなければ、もしかしたら信長は第六天魔王とならなかったのかも知れません。

同じようなシチュエーションが33話でもありました。

四面楚歌状態になった信長が「上洛も3年できた」「尾張の一大名としては、もう十分がんばった」と逃げそうになったのを踏みとどまらせたのは、他でも無い光秀でした。この時信長を焚き付けたのは自分だ、と本能寺前にも思い出したりしたのだろうか。

信長どのとお前の根は一つ。松永弾正 (34話)

この時から月に向かって伸びる「大木」のイメージは始まっていたのです。さらに遡れば、

高い木に登って泣いてしまったことがありました。  帰蝶 (32話)

木登りエピソードも折につけ出てきていました。ラストに光秀が切り倒した大木は、自分が登って泣いてしまった木のイメージをも重ねているように思います。#高くまで登りたいのが男の子。

さりげないけれど、麒麟以外で一番繰り返し登場したのは、何気に大木だったのかも知れません。

詩歌とお上、書いておいてよかった。辞世の句はこれまでの大河でも多々登場しましたが、これほど万葉集やら古今和歌集やらが出てきたのはなかったのでは無いかしら。ましてや、漢詩をや。

わたしは気づいただけです。政を行うには時の流れを読むことが肝要かと。細川藤孝。(37話)

色んな意味で響いてきます。ここらからは全てのエピソードが本能寺への積み重ねになっていく。全て、「げに何事も一睡の夢」(松永弾正、40話)

そして番外編。これから何度も出てくるのかな?という予想が外れた台詞も多々ありました。

案ずるな、わしは死なぬ。明智光秀(28話)

駒ちゃんに断言した光秀のこの台詞、何度か出てくるのかと思ったらこの回だけでした。それ以外にも、

それは難儀でございますな。帰蝶  (10話)

何度もこれを言い合いながら進んでいくのかな?と思ったのだけれど、出てきたのはこの1回でした。

そういえば、コロナ前に撮影されていた戦闘シーンには、GoProを駆使した映像が沢山あったのに、再開後は一切無くなっていましたね。本当は全編通じてそんな合戦の絵作りをしたかったのではないかしら。やはりディスタンス合戦シーンは難しい。仕方ないことです。リベンジはきっとある... に違いない。

1年ちょい前に各話書き始めた時は、出張中、数ヶ月大河を見られないこともこれまでに多々ありましたので、まさか全話書けるとは思っていませんでした。出張が一切なくなったおかげで、全話併走することが出来ました。#コロナのおかげ

全く無名の人物に光を当てた「おんな城主直虎」も面白かったのですが、有名すぎるほど有名な人物を、最新の研究結果を元にして全く違う解釈で1年じっくりと描き出した本作もとても学びが深かった。

年を跨いででも44話ちゃんと描ききるという英断を下して下さったNHKさん、ありがとうございました!

明日も良い日に。






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