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285/366 【湯気の魔法】 #食欲の秋だもの

 湯気は魔法だ。

川沿いの無人露天風呂
井の頭公園の脇の、焼き鳥屋の暖簾の向こう
台北の駅前の、小さな胡椒餅屋さんの店先
果樹園の焚火にかけた寸胴のカレー。

メガネは瞬時に曇るけど
心のモヤは晴らしてくれる。

今日のお鍋も、また。

何が来ようと受け止めてくれる
お鍋の包容力たるや。
何をしてもどうにかなるし、
何もしなくてもどうにでもなる。

あちらが引けば、こちらが足すし、
あちらが煮詰まれば、こちらが引く。

助け合い、間合いを見つつ
鍋という物語は紡がれていく。

鍋の中身も周りの人も、
「お鍋」という舞台の出演者。

音響担当は、はらぺことお出汁
衣装担当は、取皿の薬味

演出担当は、やはり湯気
たふたふの密度は時間で変わる。
終演後には消えている
ひともやの跡形もなく

外でのお鍋公演は今厳しいけれど、
お母さんお鍋はきっと待ってる。

だから今日も、子供お鍋は自主稽古。
あちらこちらで奮闘中。

湯気はたふたふ
音響くつくつ。

今日は誰に客演を依頼しよう。
経理の財布と相談しよう。
どんなテイストの公演にしよう。

ピリリと風刺が効いたサスペンス
まったりとした欧風ファミリー劇場
串刺しの刑やら五右衛門風呂やらが登場する
痛快報復歴史絵巻もアリかも知れない。

よりどりみどりのお鍋のいろどり
食事は、ドラマだ。

***

あおはるおじさんのこちらの企画に参加しました!

急に寒くなってきて、昨晩ひとり鍋をつつきました。お洒落な食事も好きですが、お鍋は無条件にホッとします。特に今くらいの季節が到来すると、お鍋恋しやが増してきます。歳かしら?

年末に親しい友人らとお鍋をつつくのも、とても好きでした。それが今年はないかもな、なんて思いつつ、でもきっといつかまた、お鍋を囲める日は来るだろう。そんな願いも込めて。

あおはるさん、ありがとうございました!

写真は、舞台のプロセニウム付きのアンコウ鍋!キモ最高〜♪

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締めのおじや。美味しいとあったかいが、たぷたぷのモリモリ!

伴走95日目!









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