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キヤノンITS、高性能サーバ向け液冷却サービスを提供開始

はじめに

キヤノンITソリューションズ株式会社(以下、キヤノンITS)が、自社運営の「西東京データセンター」において、革新的な液冷方式によるサーバ冷却サービスを2024年12月から提供開始することを発表しました。この新サービスは、生成AIの普及に伴い需要が高まる高性能・高発熱サーバに対応するものです。


サービスの特徴

キヤノンITSの新サービスには、以下の特徴があります:

  1. 高効率冷却:

    • 液冷方式を採用し、従来の空冷方式と比べてより効率的な冷却を実現。

    • サーバ内部に直接冷却液を循環させることで、熱伝導効率を大幅に向上。

    • 結果として、サーバの性能を最大限に引き出しつつ、消費電力を抑制。

  2. 大容量電力対応:

    • 超高負荷の直接液冷方式サーバにも対応できる給電方式を導入。

    • 1ラックあたり最大100kWの電力供給が可能、高性能GPUサーバの稼働をサポート。

    • 電力使用効率(PUE)の改善にも貢献し、環境負荷の低減を実現。

  3. 高い安全性:

    • データセンターファシリティスタンダードで最高ランク(ティア4)の安全性を確保。

    • 電源、空調、セキュリティなど、すべての面で冗長性を持たせた設計。

    • 24時間365日の監視体制により、システムの安定稼働を保証。

  4. 障害時の影響最小化:

    • ループ配管方式を採用し、障害発生時でも他のシステムへの影響を防止。

    • 冷却システムの一部に問題が生じても、該当部分のみを安全に切り離し可能。

    • サービス全体の可用性を高め、顧客のビジネス継続性を強化。

  5. 総合的なサポート:

    • ハウジングサービスに加え、ホスティングやシステム運用保守サービスも提供。

    • キヤノンITSの豊富な運用経験とノウハウを活かした、きめ細かなサポート体制。

    • 顧客の運用負荷を軽減し、コア業務への集中を可能に。

背景

近年、各サーバメーカーは高性能GPUサーバやHPCサーバの開発に注力しており、これらのサーバの稼働時発熱量が大幅に増大しています。特に、生成AI技術の発展と普及により、高性能コンピューティング環境への需要が急増しています。この傾向に対応するため、直接液冷方式を採用した製品の普及が急速に進んでいます。キヤノンITSの新サービスは、このような市場ニーズに応えるものです。

キヤノンITSのビジョン

キヤノンITソリューションズは、「西東京データセンター」において最新技術を取り入れたサービスの拡充を継続的に進めていく方針です。本サービスの提供を通じて、以下の目標達成を目指しています:

  1. 顧客の多様なニーズへの対応

  2. 高い信頼性を持つデータセンター運用の実現

  3. 環境負荷の低減と持続可能なIT基盤の提供

  4. 日本のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進への貢献

まとめ

キヤノンITソリューションズの新サービスは、高性能コンピューティングの需要増加に対応し、効率的かつ安全なサーバ運用環境を提供します。液冷技術の採用により、高性能・高発熱サーバの課題を解決し、同時に環境への配慮も実現しています。データセンター運用とITシステムに関する豊富な経験とノウハウを活かし、顧客の安定したシステム運用をサポートすることが期待されます。この革新的なサービスは、日本のIT産業の発展と、企業の競争力強化に大きく貢献するでしょう。