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スパンコール探偵 浮気調査編

俺の名前は、派手はで男。一年中キラキラのスパンコールが付いた服を着ているため、みんなからは「スパンコール探偵」と呼ばれている。様々な事件を解決してきたスーパーエリート探偵である。仕事ができる上に性格も最高で、町で調査を行えば9割がアイツは最高だと答えるぐらいとにかく最高な男だ。

今回のミッションは、隣町のおしどり夫婦で有名な八百屋の金さんの浮気調査。最近金さんが夜な夜などこかへ行っているため、調査して欲しいと奥さんから依頼が入った。本来は浮気調査などやっている暇は無いのだが、たまたまスケジュールが空いていた事と、その八百屋にはお世話になっている事が重なり引き受けることにした。

作戦はこうだ。金さんが夜家を出ていくのを確認する。私はその後浮気相手の家に行く金さんを尾行し、浮気相手の家から出てきた所に声をかける。すると、今まで尾行されているなど知る由もない金さんは驚き慌てふためいて、ひとしきりアメリカ企業の株価を確認したあと、虹色のゲボを吐くだろう。そしたらあとは俺が浮気ダメ!!と一喝し、奥さんに引き渡す。名付けて、たまたま金さんと鉢合い奥さんのストレス爆発を防ごう作戦(略して玉金爆発作戦)だ。

うーん。いい作戦だ。こんな高尚で完璧な作戦を思いついてしまう自分の脳に自分でも惚れ惚れする。

作戦決行の日がやってきた。奥さんは緊張している様子だが、いつも通り淡々と仕事をこなすだけだ。夜が更け、金さんが家から出てくるのを待つ。12時を回った頃、こそこそと家を出る金さんを確認し、ばれないように跡をつける。その時、事件は起こった。金さんがいきなりくるっと回転し私の方を見たのだ。ここで尾行していることがばれたら依頼は失敗し、完璧な経歴に傷がついてしまう。そう思った瞬間、無意識のうちに自らの服を広げ、ねずっちが最後のキメで「ねずっちです。」という時と同じポーズしていた。その日着ていたジャケットのスパンコールが反射する光が一つの束に集約し金さんの目に襲い掛かる。俺はその瞬間に何とか逃げ出すことに成功した。その後何事もなかったように尾行を続けたし、金さんも普通に浮気をしていた。

報酬のバナナ二本を奥さんから受け取り、これで依頼完了ってわけだ。仕事はいったん落着したが、この世界にはまだまだ悪がはびこっている。まあ、その悪は、俺のスパンコールで照らして暴き出してやるけどな。

「スパンコール!!」

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