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ストレンジカメレオン

ストレンジカメレオンという曲を知っていますか?

ロックバンド、the pillowsの代表曲の一つです。

私が大学受験塾に通っていたころ、世界史の先生がピロウズのファンでした。
先生は授業にピロウズのツアーTシャツを着て来ることがあり(笑)、同じくピロウズが好きな私は密かに親近感を覚えていました。


その先生が仰っていて、心の中で首がもげるほど頷いたことがあります。

「the pillowsの曲は、どん底まで落ち切った人にしかわからない良さがある」


正直、大人の長い人生経験や苦労している同世代・年下の人に比べれば私はどん底まで落ちたことなどないのでしょう。
世間知らずで苦労などロクにしたことがないと言えるかもしれません。


それでも、the pillowsの曲は、苦しくて苦しくて自分がみじめになった時に、必ず横にいて語り掛けてくれている気がします。上からでも、遠くからでもない、すぐ近くで、ほぼもう一人の自分の声か?というくらいすっと受け入れられる言葉を、音楽を届けてくれている気がするのです。


ストレンジカメレオンはそんな私の大切な曲です。


恐いモノ知らずで 時代ははしゃぎまわり
僕と君のすごした ページは破り去られ
歴史には価値のない 化石の一つになるのさ
君と 出会えてよかったな

https://www.uta-net.com/song/26084/


若者ゆえなのか、自分ってなんで生きてるんだろう…と思ってしまうことが度々あります。
こんなに楽しかった今日も、自分をものすごく不甲斐なく感じた今日も、腹が立って仕方がなかった今日も、歴史には何の価値もないと思うと、とんでもない虚無感に襲われるときがあります。



「歴史には価値のない化石の一つになる」と、「君と出会えてよかったな」の間に「でも」がないことが私にとっての大きな救いです。「でも」って入ると、強がりを言ってる感じがするけれど、この曲では、化石の一つになることすらも甘んじてまるごと受け入れて、愛する懐の深さと底知れなさを感じるからかもしれません。


「君と 出会えてよかったな」と言う優しさに、勇気に、強さに目頭が熱くなります。


自分にはこの曲のように、絶対的な「君」を具体的に思い浮かべられるわけではありません。この詞に心から共感できるような境地にも至っていませんし、厳密にいえば完全に理解できていないのかもしれません。


それでも、この曲でthe pillowsがこう奏で歌っていることが、私を横から支えてくれているような気がしてなりません。




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