世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」を要約してみた

世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?
経営における「アート」と「サイエンス」
山口周

回答:これまでのような「分析」「論理」「理性」に軸をおいた経営は今日のように複雑で不安定な世界においてビジネスの舵取りはできず、より高度な意思決定をするためには「主観的な内部のモノサシ」が必要になるから。
理由は以下3点。
1.論理的・理性的な情報スキルの限界が露呈した
  多くのビジネスパーソンが分析的・論理的な情報処理能力を身に着けた            →「正解のコモディティ化」が起きたこと
  VUCA(Volatility, Uncertainty, Complexity, Ambiguity)の時代では問題を構成する因子が増加、それらが動的に複雑に変化するため、問題を静的な因果関係のモデルとして抽象化し、考えるというアプローチが通用しない。→全体を直感的に捉えて、打ち手を内省的に創出する構想力や想像力が、求められる

2.世界中の市場が「自己実現市場」へと向かいつつある
  経済成長によって世界が巨大な「自己実現欲求の市場」になりつつある→人の承認欲求や自己実現欲求を刺激するような感性や美意識が重要に。


3.システムの変化にルールの制定が追いつかない状況が発生している
  システムの変化が早い時代にはルールが後追いで適用される

→明文化された法律だけを拠り所にせず、自分なりの「真・善・美」の感覚、つまり「美意識」に照らして判断する必要がある。

※「真」=「直感」、「善」=「倫理・道徳観」、「美」=「審美感性」


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