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フィンランド・スウェーデンNATO加盟、トルコとの問題どう解決した?

 こんばんは。今回は、フィンランドとスウェーデンがトルコをどのようにして加盟支持に方針転換させたかについて書いていこう。

フィンランド・スウェーデンNATO加盟、トルコとの問題どう解決した?

フィンランド・スウェーデンのクルド人問題の譲歩

 まず、挙げられるのが、フィンランド・スウェーデン両国がクルド人問題についてトルコに譲歩したからだろう。では、実際はどのような合意をしたのだろう。
 
 まず、覚書には「フィンランドとスウェーデンはPKKが非合法的なテロ組織だと確認する」と記されている。また、「フィンランドとスウェーデンは支援を提供しない」と明記されている。さらに、「フィンランドとスウェーデンはトルコによるテロ容疑者の身柄の引き渡し要請に迅速かつ十分に対応するとともに、そのための法的枠組みを整備する」との約束も行った。猛威一つ大事なのはトルコへの武器禁輸解除だ。これに北欧が同意したことにより、トルコは武器を簡単に輸入できるようになるのだ。
 
 トルコは、約束を守らなければ批准しないとも言っているので、フィンランドとスウェーデンはこれらの約束を呑むことになるのだろう。トルコにとっての最大の問題、クルド人問題が解決できるとなったとで、トルコも北欧2カ国のNATO加盟を支持するように方針転換したのだろう。
 
 覚書の詳しい内容は以下の通りだ。

・フィンランド及びスウェーデンは、クルド人民防衛隊(YPG)/クルド民主統一党(PYD)、及びフェトフッラー派テロ組織(FETO)への支援を提供しない

・トルコはフィンランドとスウェーデンの国家安全保障への脅威に対して全面的な支援を行う

・フィンランド及びスウェーデンは、クルディスタン労働者党(PKK)が禁止されたテロ組織であることを確認し、PKK及び他のすべてのテロ組織の活動、拡張、並びにこれらのテロ組織の関連団体、ネットワークにおける個人の活動を防止することを約束する

・フィンランド、スウェーデンともに対テロ法を厳罰化する(フィンランドは2022年1月1日から改正法を施行、スウェーデンは2022年7月1日から改正法を適用)

・スウェーデンは、NATO加盟国との関係で、武器輸出に関する国内規制の枠組みを変更中であり、フィンランドとスウェーデンからの武器輸出は、北大西洋条約第3条の文言と精神に則って行われる

・フィンランド及びスウェーデンは、北大西洋条約、政策規定に従いテロとの戦いを実施し、同目的のため、さらなる国内法を強化するために必要なすべての措置を講じる

・フィンランド及びスウェーデンは、トルコからのテロ容疑者の国外追放又は身柄引渡し要請に対し、トルコ側が提供する証拠及び情報を考慮し、迅速かつ徹底的に対処する。欧州引渡条約に基づき、トルコとの安全保障協力に
必要な二国間の法的枠組みを確立する

・フィンランド及びスウェーデンは、PKK及びその他全てのテロ組織及び関連団体の資金調達、勧誘活動を調査し阻止する

・トルコ、フィンランド、スウェーデンは、偽の情報と戦うことを約束し、トルコに対する暴力を扇動する活動などを通じて、テロ組織の利益または促進のために国内法が悪用されるのを防止する

・フィンランド及びスウェーデンは、武器輸出に関するそれぞれの国内規制の枠組みが、同盟国への新たなコミットメントを可能にし、NATO加盟国としての地位を反映することを確保する

・これらの措置を実施するため、トルコ、フィンランド、スウェーデンは、外務省、内務省、法務省、情報機関、安全保障機関からの専門家の参加を得て、常設の共同機関を設置する

・トルコは、NATO拡大政策に対する長年の支持を確認し、2022年のマドリードでの首脳会議において、フィンランド及びスウェーデンのNATO加盟への招待を支持することに合意する

中東調査会より抜粋


 フィンランド及びスウェーデンは、クルド人民防衛隊(YPG)/クルド民主統一党(PYD)、及びフェトフッラー派テロ組織(FETO)への支援を提供しない

アメリカの安保保障上の協力

 アメリカが裏でトルコと交渉している可能性もなくはない。一番現実的なのは、米国製戦闘機F16の販売だ。もともと、トルコはアメリカからF35を購入してきたが、近年アメリカが販売を中止してきた。代替案としてトルコは代わりにF16を購入することを提案したがそれも拒否され続けてきた。

 しかし、今回の北欧のNATO加盟をめぐりこれを使いうまく交渉したのかもし、その購入に成功したのかもしれない。また、あるニュース記事には、バイデン大統領が F16をトルコに販売することに前向きな姿勢だということが書いてあった。これもトルコが北欧のNATO加盟を支持した理由の一つかもしれない。

トルコ念願のEU加盟に向けて

 トルコ念願のEU加盟のために方針転換した可能性もあるのではないか。もし、このまま加盟反対の方針をとり続けるとNATO内でも孤立し、EU加盟がさらに難しくなるとトルコ側が思ったのかもしれない。対して、北欧のNATO加盟を支持するとEU諸国の信頼なども上昇し、EU加盟が現実的になるのかもしれないと思ったのかもしれない。

まとめ

 今回はフィンランド・スウェーデンNATO加盟、トルコとの問題どう解決したついて書いてみたが、いかがだっただろうか。改善点やアドバイスなどあればぜひコメントでお願いしたい。もちろん普通に感想でももちろんありい難いです。また、社会について記事にしてほしい内容がありましたらぜひそちらもコメントでお待ちしています。ぜひフォローの方もしていただくと励みになりますのでよろしくお願いいたします。
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