算命学余話 #U20「土と水の風景」/バックナンバー
この夏は連日35度を超える酷暑日が続き、国内ニュースのトップに採り上げられるほど関心が高いですが(いや、現在進行しているTPP交渉の異常さや、実質が定かでない好景気感への疑問から、国民の目を遠ざけるための国家の情報操作かもしれませんが)、深刻なのは暑さより土砂災害です。日本各地でおかしな雨の降り方をしております。床下浸水の被害が毎週どこかで報じられ、あまりに日常化したので注目度が低くなってますが、被害に遭われたお宅は大変です。家屋倒壊だって出てるし、家が潰れたら震災の津波被害と同じで、人は路頭に迷います。他方では降雨不足でこの暑いのに取水制限を強いられている。必要なところに降ってくれれば万事まるく収まるのに、自然はなかなか人間の希望通りにはならないものです。
私が年初に公開した算命学による今年=癸巳年の年間予報では、「豪雨」や「泥による災害」を予測していたので、有難くない当たり方をしたと云えばしたかもしれません(No.353参照)。癸は水、巳は火で、水剋火の相剋関係であり、上(天干)から下(地支)を叩く形です。つまり天災、特に雨による災害が暗示されています。また火性というのはもともと土性との結びつきが強く、更に巳の蔵干には戊という強い土性があることから、土砂にまつわる災害が連想される面もあります。つまり癸巳という干支の組合せには、「水剋火」の他に「土剋水」の相剋関係があるというわけです。
しかし水と土が必ずしも反目する関係かといえば、そうではありません。水を海、土を地球と考えれば、水の惑星そのものの形になります。また水を川、土を堤と考えれば、堤によって川は暴れることなく穏やかに流れ、田畑と人の営みを潤す豊かな風景となります。堤がしっかりしていれば、水は清く流れます。つまり、水が潤いという穏やかな恵みを周囲にもたらすためには、堅牢な土の力で制御する必要があるのです。そういう意味で、土は水に対して優越するのですが、水気のないパサパサの土は作物を育てませんから、土もまたある程度水を尊重しているという関係性を、基本として押さえておく必要があります。
というわけで、今回は土と水を手掛かりに、自然の風景から運勢をイメージしていく算命学の連想手法について考えてみたいと思います。
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