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ずっとデニムが履きたかった

私は太ももが太いことがずっとずっとずっとコンプレックスで、自分の太ももが大嫌いだった。

マラソンしたり、ホットヨガに行ったり、いろんなマッサージに通ったり、お風呂上がりに本を見ながらスリミングコスメを試したり、やれることは片っ端からトライした。そしてパンツを(きっと私のような努力なく)ごく自然にきれいに履いてる友達たちがいつも羨ましかった。

太ももに比べて、膝下は比較的長さもあってまっすぐで足首もきゅっとしていて、よっぽどのことがない限りスカート(タイトではなくフレア)しか履かなかったし、スタイルよく見せる技は10代の頃から研究しまくっていたので、私がこんなにも太ももにコンプレックスを抱えているとは他人には見えにくかったかもしれない。

太もも問題と日々格闘しつつも、私にはパンツは縁のないアイテムなんだと半ば諦めてもいた。雑誌のパンツ特集とかはいつも飛ばして読んでた。
でもパンツが履けたら、コーディネートが倍広がるだろうなぁ、とはどこかでいつも思ってた。
特にデニムは、おしゃれなスタイリストさんの本などでも必ず、迷ったらデニムに戻る、デニムは肌の一部みたいなもの、といったフレーズが出てくるので、あぁ私も1本でいいからそんな運命のデニムとやらに出会えたら、と内心願っていた。

転機はここ2、3年くらいでパンツのトレンドがどんどんハイウエストになったこと。
ハイウエストのパンツはお尻をすっぽり包み込んでくれて、トップスをインすれば多少の太ももの太さはカモフラージュしてくれるのです。
“ハイウエストパンツでトップスイン”という救世主的な着方が現れたおかげで、細すぎず身体のラインを拾いすぎないテーパードタイプのデニムを恐る恐る試していくようになった。

そして去年の夏の終わり頃、アナトミカというブランドのマリリン2というデニムを履いたとき、びっくりするほど脚がすっきりと見えて、やっと自分にぴったりのデニムに出会えたと思うことができて、本当に本当に嬉しかった。

おしりがまあるく見えて、脚はすっきり、そしてデニムなのにカジュアルというより品よく履けるマリリン2のおかげで、私は自分にデニムパンツを履くということをようやく許すことができた。

それからはセレクトショップで501の古着のデニムを買って裾をカットオフしてみたり、リメイクのブラックデニムを買ってみたり、気づいたらスカートよりデニムの日の方が多くなっていた。

コンプレックスだったおしりも太ももも、潔く自信を持って出してしまえば、勢いで結構いい感じに履けることもわかった。というか、そもそも他人は私のファッションなど見ていないし。
今ではボリュームのあるおしりや太ももはチャームポイントとさえ思えるようになった。
私の太ももさん、長い間嫌ってごめんなさい。

というわけで、私はデニムが履けるようになった幸せを日々噛み締めています。

#エッセイ #ファッション #イラスト #人生を変えた出会い

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