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ここにいる才能と優しいおせっかい。

映画「めがね」と移住

突然ですが、私移住を決めました。北海道上川町です。

どこでも住めるとしたら私はどこに住みたいんだろう?
どんなことをして生きていきたいんだろう?

そんなことを考え直して行動したら「ここに住みたいな。ここにいるひとたちのことをもっと知りたいな。」と思う場所に出会いました。
どうしてそう思えたのか考えてみると、大好きな映画「めがね」がそっくりそのまま今の私のよう。

北海道の真ん中 上川町

たそがれる才能=ここにいる才能

「たそがれる」私の好きな言葉です。
夕日を見て黄昏れる時間は人生の中でもかなり幸せ。

「たそがれる」が描かれた私の大好きな映画「めがね」。

めがね
監督: 荻上 直子
出演者: 小林聡美  市川実日子 加瀬亮 光石研 もたいまさこ

「かもめ食堂」のスタッフが再集結してできた映画です。
映画では、ただぼーっと夕日を眺めたり、海辺でビールを飲んだり、かき氷を食べたり。大きな出来事は何も起こりません。その場所には「たそがれる」が共通点の人たちがなんとなく集まっています。そして、小林聡美さん演じる主人公はその場所にいるちょっとおせっかいな人たちに振り回されながら、少しずつ気持ちが変化していきます。

この映画によると「たそがれる」は才能らしい。
映画でも「たそがれる才能」がある人たちがある場所になんとなく集まっています。「ここにいる才能がある」と言われた主人公タエコも最初は反発しているけれど少しずつ「たそがれ上手」になっていきます。
タエコはここにいる才能、つまりはそこでたそがれる才能がある。

その場所は全てが幸せな楽園ではないんです。登場人物たちにはダメな部分があったり、いろんなものを背負っているんだろうなという描写もある。そして、みんながずっとその場所にいるわけでもなさそう。
それでも「たそがれる才能」を大切にできる環境は生きやすい場所なんです。

ちょっとおせっかいな人たち。

この映画のもう一つのポイント。タエコが自分の「たそがれる才能」に気づいていくことができたのはちょっとおせっかいな人たちのおかげです。

そんなに関係性が深くないのに夕飯に誘ってくる。断っても「そうですか」とさらりと一歩引く。一歩引いたかと思えばまた一歩近づく。
こちらから歩み寄るとするりと仲間に入れてくれる。
なんとも言えず、心地がよいのです。言葉や距離感はぜひ映画をみて感じ取ってほしい。

その人が持ってる才能が生かすためには、自分に合った場所とちょっとおせっかいな人周りの人たちが必要なのかもしれない。

生きる場所の選択。

ここでぐいっと話が戻ります。
私、自分で言いますが「たそがれる才能」があると思います。
上川町で出会った人たちもかなり「たそがれる才能」がありそう。
そんな人たちといる自分はとても調子が良い。
映画でもタエコが訪れてみてやっぱり違うなという場所やコミュニティがあるように私も場所やコミュニティによって調子の良い、悪いはあるみたい。

この環境で生きなければならないではなくて、もっとふらりふらりと生きやすいように動いてみても良かったのだと「めがね」は一つ移住のハードルを下げてくれたような気がします。

そして、私の周りにもちょっとおせっかいな人たちがたくさんいてくれました。
おせっかいではなくて、優しさと表現した方が合っているのかも。
それぞれの生活やリズムを大切にしていると思えばぐいっと近づいてくれる。このぐいっと巻き込んでくれる力がなかったら私はここまで行動に移せなかった。本当に助けられました。

そんなことを思いながら見る「めがね」はなんだかとても感慨深い。

そんなこんなで移住準備は山のようにあるけれど、心の中は映画のようにゆっくりじっくり「ここにいる才能」を育てていきたいと思う今日このごろです。



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