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日本のスポーツの未来


選手ファースト

甲子園至上主義

少年「もっと投げたい〜」
野球少年にとってこの思いは世界共通のようだ。
監督「今日は40球までと決めてたでしょ。これは君のため、次に投げる子のためでもあるんだよ」

これはアメリカでの話である。10歳の少年にも球数制限がついている。
一方、日本はどうだろう。
仙台育英の複数投手制
慶応大学附属高校のエンジョイベースボール
日本の野球界も少しずつ変わろうとしているのでしょうか。
しかし、甲子園至上主義はなかなか変わらないと思います。
甲子園出場⇨大学への推薦入試ということも影響しているのでしょう。
複数投手制ができるのは強豪校だけ!という意見が多そうです。
そこに見え隠れするのがやはり甲子園至上主義です。
そこで大学進学も重なるなら「甲子園市場主義」とも呼べますね

2019年大きな批判の的となった「大船渡高校佐々木朗希選手 岩手大会決勝の登板回避」こちらも甲子園がかかっていました。
「どうして投げさせないのか?」と大きな批判があったと記憶しており、当時監督であった国保監督は退任されたようです。

なぜ佐々木投手は登板しろ!となったのか
「観客」が「甲子園」で観たい
❷「チームメイト」の「大学推薦進学」のため
❸「地域」「学校」の「名誉」のため
他にもあるかもしれません。ですが、「佐々木朗希」くんの立場から見たもの、語られたものはない気がします。

ダルビッシュ選手の提言「デジタル時代とOB」

ダルビッシュ選手が日本の指導者のレベルの低さに苦言を呈しています。
ラプソードやトラックマンが一般化し、筋肉トレーニングメソッドなども出てきている中で、ダルビッシュ選手は過度な走り込みは「OBの成功体験」としてバッサリです。逆に化学的なトレーンングに対しては「(OBは)未知なので語れない」とも言っています。

今はトレーニングが「数値化・可視化」される時代です。コーチの「言語化」は必須でしょう。但し、コーチにはそこの知識もない、勉強もしない。更にはコーチの絶対的な人数が足りていないのも事実です。

コーチが足りないのは
①学生スポーツは教員が指導するもの
②コーチ報酬が薄給
などが挙げられます。またアマチュアスポーツをビジネスにしてはいけないなどの風潮もありますし、プロ選手がアマチュアに介入できないという実態もありますね。(最近緩くなってきたようですが)
しかし、日本が大谷選手に続くような選手を育てて、人口の優位を生かしスポーツ立国を目指すのであれば、「ビジネス化」は避けては通れない道だとは思います。

声出しは必要なのか

日本の野球と言えばベンチからの絶え間ない声出し。
しかし、合理性を追求するアメリカではやっていないそう。試合で使うべきパワーを試合と関係ないところで使ってどうするのだ?ということだ。
また、下級生は先輩のお手伝いという考え方もないらしい。下級生は下手でも自分が上手くなる事でチームの底上げをするというのがアメリカ、日本は下手な子は切り捨ててマネージャー化したりしますね。そこは日本の方が合理性?なのか選手生命を切ってしまっているのか

優秀なコーチとは

優秀なコーチの条件

あくまで資金力の大きいアメリカの大学スポーツでのことです。
ⅰ.勝たせること
ⅱ.エキスパートであること
ⅲ.リーダーシップがあること
ⅳ.素晴らしいリクルーターであること
が挙げられています。
中でもⅳが一番大事らしいです。そういう考えは日本では珍しいのではないでしょうか。特に高校野球においては批判の対象ですらあります。

日本は指導者が「自分の指導方針を元に選手を育てる」
アメリカは指導者が「素材選びに時間をかけ、素材の能力を生かした育成をする」
というのが違いとなっているようです。

原晋監督

青山学院大学の原監督もリクルーティングに力を入れる監督の1人です。

原監督は高校生と話をしてリクルーティングする際に重視することは
・自分の言葉で話せているか
・人生と陸上競技人生の計画を持っているか

などの人間力を走力以上に重視しているようです。

マルチスポーツ

日本の「道」

日本には「道」という概念があります。
「柔道」・「剣道」、スポーツ以外でも「茶道」「華道」
そして「極道」(極道とは決して悪い意味ではなく道を極める!というすごいいい言葉ですよ)
1歩ずつ極みを目指して歩んでいくというスタイルでしょうか。
ChatGPTくんに「道」について訊きました。


1. **和や調和の追求:**
- 武道、茶道、華道はいずれも「和」や「調和」を大切にします。他者との調和、相手への敬意、環境との調和が心の平穏と美を生むと考えられています。

2. **精神修養と自己啓発:**
- これらの道は技術の向上だけでなく、精神的な成長や自己啓発を追求します。継続的な努力、礼儀正しさ、他者への思いやりがその一環とされています。

3. **礼儀正しさと敬意:**
- 礼儀や敬意がこれらの価値観の中核をなす要素です。相手への尊重、感謝の意を表す儀式や態度が、技術や芸術の向上と共に重要視されます。

4. **一期一会の哲学:**
- 「一期一会」の概念は、一つの瞬間を大切にし、相手との出会いや繋がりを重視する精神を表しています。これは他者との短い時間でも深い経験や感謝を生むものとされています。

5. **内面の美と外面の美:**
- 内面の美と外面の美を同時に追求します。芸道や武道は技術の美しさと共に、心の美しさや内面の平穏も同等に大切にします。

6. **自然との共感:**
- 自然との共感や環境への敬意が重要です。茶道では自然の素材や風景を取り入れ、華道も花や植物との調和が美を生む要素とされています。

これらの共通の価値観は、武道や芸道において「道」を歩む者にとって、技術の向上だけでなく、人間性の向上や共感力の養成が重要な要素となっています。それぞれの道において、これらの価値観は日本文化の深い部分を形成し、継承されています。

ChatGPT

ChatGPTくんありがとう。
「和」「調和」「礼儀」「美」…「道」は凄いですね。
日本は「極道」、1つのことを極めることを重視します。「諦めるな、乗り越えた先に何かある」という考え方ですね。それはそれで立派ですが、幅がなくなっていることも事実かなと思います。
と言いながらも「一芸は道に通ず」という考えかたもありますね。
昨年、将棋の王位戦の観戦に行きましたがプロ棋士の「書道」の上手さに驚愕したのを覚えています。

アメリカのマルチスポーツ

アメリカは4シーズンごとにやっているスポーツが異なります。体を大きくする時期、野球をやる時期、バスケットをやる時期、アメフトをやる時期と。
バスケットボールの神様マイケル・ジョーダンもMLBでプレーしてます。

1万時間の法則を地でいく日本と幅と多様性をもつアメリカ。
どちらがいいとかではありませんが、アメリカ人は多くのことをやることによって優先順位の決定や時間の使い方がうまいのは間違いないでしょう。

医療体系

日本では学生が怪我した際、家族やチームのかかりつけの医者に行き、そのお医者さんとリハビリ担当の計2人くらいだけで治療がなされると思います。アメリカはどうなのでしょう。

アメリカの医療

アメリカは前提として大学等がスタジアムを敷地内に保有しています。そしてそのスタジアムにレントゲン室があることが必須になっています。
下記はスタンフォード大学での話です。
●メディカルドクター 10名前後
 首・肩・膝など各部位ごとに専門の先生がいる
●メディカルトレーナー 8名
 医療補助やストレッチのサポート
●フィジカルセラピスト 3名
 リハビリの専門家
●ストレングスコーチ 6名
 ウェイトトレーニングの専門家、リハビリ後半の筋力回復など
と細分化されています。1人の先生がほぼ最後までみる日本とは大違いではないでしょうか。

ビジネス化

NCAA

だけれども、そんなのはお金があるからできるのだろう?と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そうです。アメリカは上手にビジネス化してます。その1つが「NCAA」です。青山学院大学の原監督も著書で触れられております。

NCAA(National Collegiate Athletic Association)は、アメリカ合衆国における大学スポーツの統括団体です。NCAAは、大学・カレッジレベルで行われるさまざまなスポーツイベントや競技の規則を管理し、運営しています。以下は、NCAAに関する主なポイントです。

1. **組織構造**: NCAAは、3つのメンバーシップディビジョン(Division I、Division II、Division III)から構成されています。各ディビジョンは、異なる規模やリソースの大学に対応しており、それぞれが独自のスポーツプログラムを提供しています。

2. **大会とトーナメント**: NCAAは、大学フットボールやバスケットボールなどの主要なスポーツで年間を通じて様々な大会やトーナメントを主催しています。特に、NCAA バスケットボールトーナメント(通称: マーチ・マッドネス)は非常に人気があります。

3. **奨学金制度**: NCAAは、大学スポーツ選手に奨学金を提供することを許可しています。これにより、優れた選手が大学でスポーツと学業を組み合わせる機会が生まれています。

4. **規律と遵守**: NCAAは、大学スポーツにおいて規律を維持し、公正な競技環境を確保するために様々な規則や遵守プログラムを設けています。これには、スポーツマンシップ、公正な競争、アマチュアリズムの原則などが含まれます。

5. **収益分配**: 大学スポーツは大きなビジネスとなっており、特にフットボールやバスケットボールは多額の収益を生み出します。これらの収益は、大学スポーツプログラムや関連する施設への投資、奨学金の提供などに利用されます。

6. **論争と課題**: NCAAは時折、異論や論争の的となることがあります。例えば、選手の権利や奨学金に関する議論、大学スポーツの商業化への懸念などが挙げられます。

NCAAはアメリカの大学スポーツを統括し、多くの大学やカレッジのスポーツプログラムを結びつけています。

ChatGPT

前述の通り、アメリカは大学が大規模スタジアムを持っていたり、学生スポーツが人気です。そしてそこで生み出された収益を各大学に配布して競技環境を向上させています。
原監督も関東学生陸連の法人化など諸政策訴えていますがどうなるのでしょうか。
原監督は「スポーツビジネス=悪」というのは学生のことを考えていないとばっさり切ります。お金を稼ぐことで奨学金制度の拡充を図り、高校までしか競技できなかった選手を延命させることもできる、ボディケアや大会の遠征費用にもなると言います。大会は特に自腹が多くマネージャーは自腹で行っている大学もあるとのこと、かつ青山学院大学はバイトを禁止しているため収益の確保は死活問題と言います。

女性指導者

アメリカでは収益がうまく周り、環境向上が進んでいます。そのメリットは女性にも及んでいるようです。アメリカと日本では圧倒的に女性指導者の数が違うようです。
結果的に女性指導者が多い⇨女性アスリートが育ちやすい⇨指導者になるという違う好循環も生まれているようです。

セカンドキャリア

NBA・ロサンゼルス・レイカーズに所属する八村選手はゴンサカ大学を3年時にNBAドラフトにかかりました。卒業していません。
日本だとこの場合、休学となりますが休学できる期間は長くて2年程度の箇所が多いようです。

それに比べてアメリカは八村選手のような例もあることから何年経っても復学できる仕組みになっているのだとか。学生が減っている昨今、これくらいのことは日本もしたらいいのではないかと思うのですが、、、

日本のセカンドキャリア

日本では引退後に困る人が多くいますね。それも学生時代に「野球しかしてこなかったから」という人が多いから。そして勉強もしていない。
コーチや解説者になれたらいい方。力士に至ってはほとんどがちゃんこ屋さん経営になって、現役時代の負荷により身体を壊してしまう短命の方が多い。

原監督のデュアルキャリア

原監督は選手に常々競技人生終了後のことを意識させていると言っています。陸上競技でうまくいかなくなってから準備してからでは遅いからと言っています。そしてデュアルキャリアに必要なものは
・計画性
・分析力
・コミュニケーション力
と言います。

アメリカのセカンドキャリア

前述の八村選手の例のように大学3年制でアーリーエントリーをする場合など大学に後年復学できるという話はしました。それ以外にもアメリカでは引退後の選手は大学に行くように勧められることが多いようです。
それは大学からしても知名度の点でメリットがありますし、選手側にもメリットが。またプロチームが学生の授業料をもつなんてこともあるとか。

情報公開

原監督は練習方法などを積極的に公開する監督です。
それも「日本のレベルを上げたい」から!という熱い思いを同じです。
しかし日本だと成功メソッドを隠していることが多い気がします。(つらつらと喋るのもなんか変な気がしますが汗)

その点、アメリカは指導者の交流会が1週間ぶっ続けであったりするようです。その中で有名コーチの講演があったりして基本的に情報共有に積極的なスポーツ界であることがわかります。

体育

先日こんな記事がありました。

運動嫌いの子供が増える要因が体育の授業になっているというもの。
ここに関しても原監督が言っています。

小学校の体育では泳げない子どもと、4泳法全てが泳げる子どもを同時に指導しなければなりません。これは大変なことです。私などは「スイミングスクールのコーチを呼んできて手伝ってもらうことはできないんだろうか?」と考えてしまします。なぜなら泳力別の指導法が確立されているからです。こうした話を教育界や経済界の方にすると、「公立の学校は文部科学省の管轄で、スイミングスクールは民間企業ですから経済産業省の管轄となり互いに踏み込めないエリアなのです。」という話を聞きました。ところが私立学校ならばスイミングスクールとコラボレーションできるというのです。私からすれば「縄張り意識」「縦割り行政」としか見えません。そうした慣習を無くせば、子どもの成長機会を増やせるでしょうし、先生方の働き方改革も進むのではないでしょうか。改革する意識を発動すれば、子どもたちの利益につながるのにもったいない。
 その意味で、私は陸上関係者が「教育」の分野にコミットしていくことが、ビジネスチャンスを広げることにつながると思うのです。

原 晋/改革する思考 P154

小学校の段階で運動嫌いになると非常にもったいないですね。私も子ども達に何か伝えていきたいと考えているので何か貢献したいなと思います。

体育とは別ですが、小学生スポーツで勝敗にこだわるかどうかという問題もありますね。スペインではバスケットで得点板がないそうです。こちらも是非はあると思います。

今日はこちらの本を参考にしました。
長くなりました。

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