千人伝(百二十一人目~百二十五人目)
百二十一人目 手盗栗鼠
てとりす、と読む。手盗栗鼠は飼い慣らした栗鼠を使い、公園に遊びに来た人の腕を噛ませた。痛みに悲鳴をあげつつも愛らしい栗鼠を愛でようとする被害者に、偶然通りかかった栗鼠に詳しい人物の振りをして「栗鼠は可愛く見えて、人間には非常に有害な雑菌を持っていることもありますので」と言葉巧みに近付いた。恐れる被害者に注射を刺して眠らせ、金目の物を盗んだり、腕そのものを切り取ったりもした。
眠りから覚めた被害者は、栗鼠と手盗栗鼠の姿が消え、自分の腕も消失してしまっ